夏ドラマでは、『VIVANT』シーズン2(TBS系)主演の堺雅人さん(52歳)、『GTO』(フジテレビ系)主演の反町隆史さん(52歳)、『大追跡~警視庁SSBC強行犯係~ Season2』(テレビ朝日系)主演の大森南朋さん(54歳)、『ブラックトリック~裁きを操る弁護人~』(フジテレビ系)主演のGACKTさん(53歳)と、50代イケオジ主演俳優が席巻しています。

 令和となった今、なぜ彼らが物語の主人公として求められているのでしょうか。


堺雅人、反町隆史、GACKT…夏ドラマは「50代イケオジ」が...の画像はこちら >>

「ハズレなし」の信頼感を誇る50代俳優

 テレビドラマは昨今、配信作品との競争が激しく、タイムパフォーマンスを重視する視聴者はとにかく「ハズレ」を引きたくない。そこで重要になってくるのが主演俳優のブランド力と信頼感です。堺さん、反町さん、大森さん、GACKTさんはまさにこの条件を満たすと言えるのではないでしょうか。

 堺さんは『半沢直樹』シリーズ(TBS系)や大河ドラマ『真田丸』(NHK総合)など、劇団出身の揺るぎない演技力で大ヒット主演作を多く世に送り出しています。反町さんは月9『ビーチボーイズ』、1998年版『GTO』(共にフジテレビ系)でイケメンスターとして一世を風靡した後、『相棒』(テレビ朝日系)などで確固たる地位を確立。

 大森さんは芸能一家に生まれ育ち、大河ドラマ『龍馬伝』(NHK総合)、『私の家政夫ナギサさん』(TBS系)など多数の人気作に出演する演技派です。

堺雅人、反町隆史、GACKT…夏ドラマは「50代イケオジ」が席巻!いま視聴者がベテラン俳優を求めるわけ
画像:『私の家政夫ナギサさん』(TBS公式サイトより)
 ミュージシャンが本業のGACKTさんも、大河ドラマ『風林火山』(NHK総合)などへの出演歴に加え、映画『翔んで埼玉』では興行収入37億円のヒットを記録し、第43回日本アカデミー賞で優秀主演男優賞を授賞。バラエティ番組『芸能人格付けチェック』(テレビ朝日系)でも連勝記録を樹立するなど、お茶の間への訴求力では専業俳優に負けていません。

長年の実績が保証する「ブランド力」

 若手でも人気、知名度のある俳優はいますが、俳優自身が作品の品質保証となり、「この人が主演なら間違いない」というブランド力では、長年の実績を積み重ねた50代俳優に一日の長があります。

ベテラン俳優だからこそ「社会の重さ」を背負える

 また、地上波ドラマのリアルタイム視聴者は中高年が中心。この層は、成熟した主人公像を求めており、人生経験を実生活でも深め、役に説得力を持たせることが出来るイケオジ俳優がそこにピタリと当てはまります。

堺雅人、反町隆史、GACKT…夏ドラマは「50代イケオジ」が席巻!いま視聴者がベテラン俳優を求めるわけ
画像:『ブラックトリック〜裁きを操る弁護人〜』(フジテレビ公式サイトより)
 そして、近年では国際情勢の緊張、コンプライアンス社会、SNS炎上、教育現場の複雑化など、現実の世界でも若手だけでは解決しづらい問題が増えている。この重苦しい空気を打破するため、大人のヒーロー像が求められるようになりました。

 安心感、信頼感に加え、「畏怖の念」すら感じさせられるベテラン俳優こそ、今の社会の重さを背負えるという期待があるのでしょう。


俳優の深い人生とも重なる主人公像

 例えば、『GTO』で反町さんが演じる鬼塚英吉は理不尽な社会への違和感を代弁する存在です。

 28年振り復活の今作では、反町さんと同じく50代になった鬼塚が令和の教育現場に切り込むことで、破天荒さはやや落ち着いたものの、人生経験を積んだ教師だからこそ響く生徒、学校、社会への提言がなされています。28年前のヒロイン・松嶋菜々子さんと、今作で夫婦共演が実現していることも、俳優人生の重さを感じさせます。

『大追跡』は、大森さん、相葉雅紀さん、松下奈緒さんのトリプル主演ですが、実質的なリーダー役は大森さん演じる伊垣修二が務めています。警視庁の「SSBC強行犯係」を描いた今作では毎回、犯人の事情、組織の圧力など、重いテーマを扱っていますが、伊垣は現代の捜査を統率する頭脳として、事件解決に中心的な役割を果たし、重厚感を与えています。

堺雅人、反町隆史、GACKT…夏ドラマは「50代イケオジ」が席巻!いま視聴者がベテラン俳優を求めるわけ
画像:『大追跡~警視庁SSBC強行犯係~ Season2』(テレビ朝日公式サイトより)
『ブラックトリック』でのGACKTさんは、敏腕弁護士と一級建築士の二刀流で、「嘘」を武器に真実を暴く浦真鷲直人を演じています。常識外れの天才として冷徹さ、妖艶さ、知性を兼ね備えたGACKTさんが主演となることで、恋愛や青春といった月9の王道に対して「異質で大人な主人公像」が成立。

 また今作は月9ドラマとして初めてNetflixで世界配信されますが、GACKTさんの存在感は言葉の壁を難なく超えられそうです。体調不良による無期限休止から復活を遂げたという彼の人生そのものも、主人公の立ち振る舞いに重みを生み出しています。

若い世代に希望を引き継ぐ存在に

 視聴者が成熟した主人公に自分の経験を重ねることが出来るイケオジ俳優。若者の悩みも、社会の閉塞感も、経験を積んだ大人が向き合うからこそ共感が生まれる。彼らが「背負ってきたもの」が、そのまま役柄の厚みにつながっています。

 一方で、主人公が50代俳優だからこそ引き立つ、若手との世代融合も生まれています。
『GTO』では、リアル高校生世代限定オーディションから生徒役を勝ち取った面々が、1998年版から飛躍した窪塚洋介さん、小栗旬さんらに続こうとしています。
編集部おすすめ