(台北中央社)先月末に死去した李登輝(りとうき)元総統は10月7日に北部・新北市汐止の五指山軍人墓地特勲区に埋葬される。李氏が生前、台湾最高峰、玉山への散骨を望む考えを表明していたことについて、総統府の張惇涵(ちょうじゅんかん)報道官は19日、李氏の次女の李安妮(りあんじ)さんの話として、国家体制と遺族感情の間で最良の折り合いをつけ、バランスを取ることで、李氏が語っていた「脱古改新」「誠実、自然」の理念をより一層徹底できるとする遺族の考えを説明した。


張報道官によれば、安妮さんは、李氏に願いがあるとすればそれは台湾の民主主義をさらに深化させ、台湾の人々がより団結することだと言及。李氏が生前、玉山への散骨を希望していたのは、台湾の土地と永遠に共にありたいとの願いがあったからだと説明したという。

脱古改新とは、李氏が台湾の改革の方針として提唱していた概念。2015年に日本の国会議員会館で講演を行った際、脱古改新について、「『古』を脱し、新しく改める」ことだと説明。「託古改制」(古に託して制度を改める)から脱却し、「一つの中国」、「中国式法統」による束縛から逃れて台湾を主体性ある民主国家にすることが目的だと述べていた。

(温貴香、陳俊華/編集:名切千絵)