文化部によると、江さんは1943年、現在の南部・屏東県獅子郷に生まれた。幼少期から集落の祭事で司会や歌唱のリードを務め、「enelja」に関する知識が豊富で、表現方法にも精通していたという。
「enelja」はパイワン族の婚礼や恋愛、仕事、集会などさまざまな場面で歌われる伝統的な歌謡。江さんは集落や学校などに招かれて歌声を披露することが多く、今年5月には屏東県政府に「enelja」の保存者と認定された。
李部長は報道資料を通じ、「enelja」はパイワン族の伝統的な流行歌や語り口で、パイワン族社会や地域文化と密接な関係があったと説明。江さんは文化的背景や歌唱技術に詳しく、長年にわたり普及活動に取り組んできた他、文化保存の基礎をつくったと高く評価した。
(王宝児/編集:齊藤啓介)