長崎市は当初、台湾に対して招請状などを送っていなかったが、台湾側から式典への参加希望があったとして参列を認めた。台湾は6日にも広島市で開かれた平和記念式典に初めて参列している。
同処は報道資料を通じ、長崎への原爆投下では「台湾人の犠牲者も少なくない」とした上で、「李代表は犠牲者に対して心からの哀悼の意を表するとともに、長崎市が呼びかける核兵器の廃絶と世界の恒久平和を追求する理念と目標に対して台湾として賛同し、台湾の平和、人権、自由に対する確固たる信念を重ねて表明した」と強調した。
また出席が認められたことについて「長崎市および関係各界のご協力に感謝する」としながらも、NGOエリアに案内されたことについては「世界に向けて平和を追求する決意を伝達することが台湾の最高目標であり、長年にわたりこのような重要な国際平和式典への参列の機会が得られるように積極的に努力してきたのは、台湾が国際社会と緊密に連携して世界平和に取り組む立場と誠意を示すためである」とし「格下げの待遇を受けながらも、出席することを決定した」とする李代表の言葉を伝えた。
李代表は、長崎市側の対応については「妥当とはいえない」としつつも「中国による圧力が背後にあったことを理解している」とした。
その上で、「台湾は世界で第22位の経済体であり、ハイテクノロジー、民主主義体制、医療・保健といった多くの分野で優位性を有している」と強調。「台湾は決して『国際非政府組織』などではなく、国際舞台で活躍する主権国家」だとした。
さらに「台湾は国際社会の責務を果たし、かつ平和を愛する一員として、引き続き日本や米国といった理念の近いパートナーと手を携えて協力し、権威主義の拡張に共に対抗し、台湾海峡とインド太平洋地域の平和と安定および持続可能な繁栄を守っていく」と意欲を示した。
(楊明珠、戴雅真/編集:齊藤啓介)