(台北中央社)頼清徳(らいせいとく)総統は9日、台湾の経済に卓越した貢献をした人物を表彰する「経済部専業奨章」を甘利明元経済産業相と台湾積体電路製造(TSMC)の魏哲家総裁兼董事長(会長)に授与した。甘利氏は自民党の半導体戦略推進議員連盟でかつて会長を務め、台日間の半導体産業連携を長期にわたって推進した功績が認められた。


授章式は半導体サプライチェーン(供給網)に関するフォーラム「セミコン・ネットワーク・サミット」(晶鏈高峰論壇)の中で行われた。同フォーラムは台北市内で10日に開幕する国際半導体展「セミコン台湾」の30周年に合わせて開かれた。

フォーラムであいさつした龔明鑫(きょうめいきん)経済部長(経済相)は甘利氏について、台日の半導体テクノロジー産業連携や戦略的配置を長年来推進し、TSMCの熊本工場設置を実現させた立役者の一人だと紹介。今後、台日双方は人材や技術などでの協力を引き続き深めていくとした。

魏氏については、TSMCを率いて先端半導体プロセスの技術改良を進め、世界をリードし、人工知能(AI)の発展を支えてきたと言及。これはTSMCの数字上の成功にとどまらず、世界のデジタル化と普及において重要な支えとなり、台湾のICチップがいまや世界中のほぼ至る所に存在し、365日、毎分毎秒稼働し続けていることを示しているとした。また、魏氏の説得力を伴う説明能力やユーモアに富んだ性格、決断力にも触れ、TSMCの成功において消すことのできない貢献を果たしたとたたえた。

頼総統は受章者にメダルを手渡した。魏氏は出席できなかったため、TSMCの秦永沛執行副総経理(副社長)兼共同最高執行責任者が代理で受け取った。

(劉千綾、張建中/編集:名切千絵)
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