(台北中央社)離島・馬祖で5日に開幕した芸術祭「馬祖ビエンナーレ」(馬祖国際芸術島)で、日本の現代美術作家、柳幸典さんの作品「プロジェクト・ゴジラ―健康な島々幸福な馬祖」(Project God-zilla – Healthy Islands Happy Matsu)が今年1月に閉館した連江県立南竿郷旧体育館に展示されている。体育館に深穴を掘り、現地で出された大量のごみを積み上げた。
中心にある大きな目玉には、原爆が投下された広島と長崎のキノコ雲などの光景が絶えず映し出されている。

作品の展示を支援したデザイナーによれば、「プロジェクト・ゴジラ」は柳さんにとって意義深いシリーズで、特定の場所が見つからない限り、作品を作らないという。

柳さんは今回、使われなくなった施設が展示場所になることが決まると、この場所で同シリーズの新作を制作すると表明。材料は全て現地の廃棄物とし、台湾本島から運び込むことも望まなかった。こうしてこそ、真に馬祖に根付いた作品になるとの考えを示したという。

同じく南竿郷のリハーサルホール「山隴排練場」には、京都を拠点に創作活動を行うアーティストユニット「米谷健+ジュリア」の作品「生命の糸」が展示されている。釣り糸などの素材を用いた作品を通じて、人類と海洋の相互依存に焦点を当て、海との結び付きとその深い影響への尊重と反省を促している。

馬祖ビエンナーレは11月16日まで。

(王宝児/編集:名切千絵)
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