1925年、雲南省生まれ。総統府秘書長や国家安全会議秘書長、駐米代表(大使に相当)などを歴任した。アフリカのルワンダやザイール、韓国への駐在も経験した。
国家安全会議秘書長在任中の95~96年には第3次台湾海峡危機が勃発。丁氏は96年、米ニューヨークで国家安全保障担当副補佐官と面会し、危機解決に向けた話し合いを行った。79年の台米断交後では最もハイレベルな政府高官同士の対話となり、安全保障分野での高官協議の枠組みを確立した。
また同年には秘密裏に訪日して当時の梶山静六官房長官と面会し、両岸(台湾と中国)情勢や台日間の情報交換を巡り議論した。72年の台日断交以降、台湾の高官が訪日して安全保障について話し合った初のケースとなった。
他にも、95年に当時の李登輝(りとうき)総統の訪米に同行するなど、台湾の重大な外交政策の決定に関与した。
(楊堯茹/編集:田中宏樹)