(台北中央社)8年間で1兆2500億台湾元(約6兆1400億円)の防衛予算を盛り込んだ「防衛強靭(きょうじん)性・非対称戦力計画調達特別条例案」は野党の立法委員(国会議員)による反対で、いまだに委員会での審査に付されていない。国防部(国防省)の黄文啓(こうぶんけい)戦規司長は27日、特別条例案の審査の滞りにより、米国からの武器調達案が白紙に戻る恐れがあるとして懸念を示した。


条例案は昨年11月27日に行政院院会(閣議)で決定され、立法院(国会)に送られたが、国民党と民衆党の反対により、手続きが進んでいない。米政府は先月17日、155ミリ自走りゅう弾砲「M109A7」や高機動ロケット砲システム「ハイマース」など8品目を盛り込んだ総額111億540万米ドル(約1兆7100億円)規模の台湾向け武器売却を承認し、議会に通知した。条例案ではこれらの武器も調達内容に含まれている。

国防部はこの日、春節(旧正月、今年は2月17日)を前に報道陣向けの取材イベントを行い、台北市の空軍松山基地で臨時記者会見を開いた。

黄氏は米国からの武器調達手続きについて、議会通知後に米議会で問題がなければ、国務省から引合受諾書(LOA)が台湾側に提示され、LOAへの署名後に米政府が製造元と契約し、製造、引き渡しの段階に進むと説明。米国防総省国防安全保障協力局(DSCA)の運用規定により、LOAの第1版が決断のタイミングとなり、有効期間内に署名しない場合、調達案は最初からやり直しになるという。有効期間は価格によって異なり、通常は45日、長くて60日、短い場合は15日とされているとした。

黄氏は、LOAへの署名は立法院の同意を根拠とし、立法院で予算が可決されなければ署名できないと説明。特別条例案の審査が長期化すれば、武器調達案は白紙に戻ることになるとの認識を示した。

(呉書緯/編集:名切千絵)
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