(東京中央社)立法委員(国会議員)に就任した野党・民衆党所属で中国出身の李貞秀(りていしゅう)氏が中国籍を放棄したかどうかに注目が集まっている。在日台湾人の連合組織「全日本台湾連合会」(全台連)は5日、声明を出し、「中国国籍者の立法委員就任を容認することは台湾の主権と安全を危うくする」と訴えた。


李氏は中国・湖南省出身で、台湾人との婚姻により1993年から台湾在住。民衆党の立法委員(比例代表)が辞職したことで繰り上げ当選し、今月3日に立法委員に就任した。中国籍を巡っては、中国当局に対し国籍の放棄を申請したものの、受理されなかったと自ら認めている。国籍法では、外国籍を有する者が中華民国(台湾)の公職に就くことを禁じている。内政部(内務省)は李氏に対し、国籍放棄の申請不受理が事実であれば、証明を提出するよう求めているが、李氏はこれに応じていない。

全台連は声明で、中国籍を有していると自ら認める人物が立法委員に就任したことは「台湾の民主主義、主権概念、ならびに安全保障の根幹に関わる重大な問題」だと指摘。政府は国籍法に基づき「立法委員が台湾に対して単一かつ排他的な忠誠義務を負っているか否かを厳格に確認し、外国籍を有する者の議員就任を認めてはならない」とし、「法の解釈や運用を曖昧にすることは、民主主義国家としての自律性を自ら損なう行為にほかならない」と危機感を示した。

また、国際社会で台湾を「中国の一部」とする誤解が根強く存在することに触れ、中国籍保有者が立法委員として活動することが既成化されれば「誤認を一層助長することは避けられない」と指摘。「これは台湾の対外関係のみならず、台湾の安全保障環境そのものを危険にさらす結果を招きかねない」と主張した。

「立法機関は国家意思の形成中枢であり、その構成員の国籍・帰属意識は、安全保障上、最も厳格に管理されるべき領域」だとし、ここに曖昧さを残すことは「台湾の自由と民主を内側から侵食する入口を自ら開くことに等しい」と強調した。

その上で政府に対し、法治国家として外国国籍者の立法委員就任を認めない明確な制度的措置を講じることを強く求め、国民に対しては、台湾の主権と安全を軽視する政党に選挙を通じて「明確に『否』を突きつける意思表示を行うことこそが、台湾社会の未来を守る力となる」と呼びかけた。

(戴雅真/編集:名切千絵)
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