シンポジウムは総統直接選挙30周年や民主主義の強靭(きょうじん)性をテーマにしたもので、頼総統は1996年に始まった総統直接選挙について、空から降ってきたものでも、為政者が人々に与えた恩恵でもなく、台湾の人々が長年にわたり、多くの出来事の中で犠牲を払いながら勝ち取ったものだとの認識を示した。
その上で民主化の歩みを振り返り、与党の民進党は早くから独立・建国の理念を掲げ、中華人民共和国とは異なる主体性を持つ国家を建設しようとしたと説明。台湾は一連の民主化運動を経て豊かな成果を収め、民主制度は「人民は国家のあるじである」という原則を確立し、人権や知的財産権は保障され、経済は自由で開かれた環境の中で持続的に発展できるようになったと語った。
経済面では、馬英九(ばえいきゅう)政権(2008~16年)期の平均年間経済成長率が2.8%、蔡英文(さいえいぶん)政権(16~24年)期では3.2%だったのに対し、昨年は8.68%に達し、今年も7.71%と予測されていると指摘。人々が人権の保障を受けて自由に暮らせているだけでなく、経済発展や社会の安定でも大きな成果を上げていることを示していると述べた。
また中国による軍事的脅威について、政府は8年間にわたる総額1兆2500億台湾元(約6兆2200億円)の防衛特別予算を編成したとし、年間平均約1560億元(約7800億円)の予算は、台湾の現在の経済成長力でも必ず負担できると強調。防衛力強化のために防空システム「台湾の盾」を構築し、人工知能(AI)を活用したリアルタイム攻防システムを整備する他、必要な兵器などを自主開発する「自主国防」産業の発展も推進するとし、防衛予算は国家防衛だけでなく、経済産業の発展にもつながると語った。
さらに政府は国家安全に関する高官会議を開き、中国を域外敵対勢力と位置付け、それに対処する17項目の戦略を打ち出したと述べ、関連の改正法案はすでに審議のため立法院(国会)に送られたとした他、総統府も「全社会防衛強靱性委員会」を立ち上げて全民防衛メカニズムを構築し、国家の安全保障を確保するとした。
頼総統は、台湾が総統直接選挙を実現して今日の民主的な成果を築き、アジアの民主主義の模範として世界的に評価されていることは、人々の力によるものだと主張。この重要な時期に台湾の人々が再び大きな力を発揮し、国家安全保障と民主主義を守り、台湾経済をより発展させ、正しい道を勇敢に進んでほしいと述べた。
(温貴香/編集:齊藤啓介)








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