「海にみえるだろ? 実はこれ湖なんだぜ」――。そんな呟きと共に紹介された風景が、X上で多くの人々を驚かせている。
2025年7月21日にXユーザーの投稿者「自由人KANA」(@ybr1252014)さんが投稿したのは、驚くほど澄み切った、水辺の写真。
どこまでも広がり、遠くに行くほど真っ青で、どう見ても海のようだが......これは福島県の猪苗代湖なのだという。
自由人KANAさんのポストには、4000件近い「いいね」(7月23日夕時点)のほか、こんな声が寄せられている。
「この青さが綺麗です」
「吸い込まれる......綺麗さに胸の奥がギュッとなる」
「猪苗代湖は、福島県民自慢の湖ですよね。中通り民、猪苗代湖に湖水浴行く時には、いつも『海に行く』と言っていました」
「小さい頃は猪苗代湖海だと思って遊びに行ってた...」
「なんなら20歳過ぎまで海だと思ってた」
まるで海のような猪苗代湖。その魅力は? 投稿者「自由人KANA」さんに話を聞いた。
「福島県民にはなくてはならない存在」
福島県のほぼ中央に位置し、会津若松市・郡山市・猪苗代町にまたがる猪苗代湖。滋賀の琵琶湖、茨城の霞ケ浦、北海道のサロマ湖に次いで、日本で4番目に広い湖だ。
郡山市の公式サイトによると、「天を映す鏡のような湖」の意で「天鏡湖(てんきょうこ)」と呼ばれるほど、透明度が高く澄んでいるという。
投稿者・自由人KANAさんが話題の写真を撮影したのは、猪苗代湖南東部湖岸の浜路浜取水塔付近。7月21日午前9時40分頃だった。
猪苗代湖の魅力について、こう語る。
「猪苗代湖は、福島県民にはなくてはならない存在。その湖の美しさは後世にまで残すべきで、最近ラムサール条約湿地に登録された猪苗代湖の素晴らしさを、日本のみならず世界に知ってもえたらなと思っています」(「自由人KANA」さん)
冬は「しぶき氷」が素晴らしい
自由人KANAさんは福島県育ちで、四季さまざまな季節の猪苗代湖を撮影している。いろいろな季節を見てきた中で、もっとも好きな季節は、冬だという。
「春夏秋冬どの季節も素晴らしい景色を見せてくれますが、一番のお気に入りは真冬の極寒の環境で発生する、しぶき氷ですね。
限定された地域で特定の気象条件が揃わなければ写真のような透明度の高いしぶき氷は見れません。まさに自然の芸術です」(「自由人KANA」さん)

しぶき氷とは、波しぶきが強い風に吹かれ、岸辺の樹木に漂着したものである。日本では珍しい現象だといわれている。
海のように青く開放的な夏の猪苗代湖も、北国の冬ならではの〝自然の芸術〟も、素晴らしい。猪苗代湖に行くとしたら、いつにしようか......。