
カモノハシにトビウサギ、そしてヤマネにサソリなど、「生物蛍光」する生物が続々と発見されている。さらに哺乳類にも光るものがたくさんいることがわかって来た。
北米に生息する「アメリカモモンガ」もその仲間に加わっていたようだ。
アメリカはウィスコンシン州で撮影された映像では、腹部がピンク色に発光する様子がとらえられていた。
それは偶然の発見だった
2019年1月23日付の「Journal of Mammalogy(哺乳類学ジャーナル)[https://academic.oup.com/jmammal/article/100/1/21/5299493?login=false]」で、アメリカ・ノースランド大学の学者たちが、北米のモモンガの生物蛍光についての論文を発表した。
共著者の1人で森林学者であるジョン・マーティン教授は、ある夜のこと、ウィスコンシン州の森の中でUVライト(紫外線ライト)をかざして、発光する植物やキノコなどを探していた。
すると何かの鳴き声が聞こえたため、そちらにブラックライトを向けてみた。
その瞬間、マーティン教授の目に飛び込んで来たのは、蛍光ピンクに光りながら木の幹を動き回るアメリカモモンガの姿だった。
一体なせモモンガまでもがUVライトで蛍光ピンクに光るのか?その理由は依然として謎だが、これまでの仮説の中には以下のようなものがある。
実はモモンガの捕食者となる猛禽類の中には、腹部がピンクに発光するものがいる。彼らに仲間だと思わせて、襲われるのを防いでいる可能性もある。
だが逆を考えれば、もしかすると猛禽類のほうが、獲物に仲間だと思わせ油断させるために光を発するようになったのかもしれない。
恋のアピールに関係するのでは?という説もあったようだが、季節を問わず一年中光っていること、オス・メスに関係なく同様に光を発することなどから、現在ではその線は薄いと考えられているようだ。
また、夜の闇に覆われた真っ暗な森、あるいは雪に覆われた真っ白な森の中で、仲間を見つけやすいように光っている可能性も捨てきれない。
光る生き物のリストは増え続けている
かもしれない・可能性ばかりの話になってしまったが、実際に彼らがなぜ光るのかについては、学者たちの努力にもかかわらず、いまだ完全には解明されていないのが現状である。
なんせ、「光る動物」は続々と発見され続け、もしかしたら光るのが当たり前なのでは?と疑いたくなってくるのだ。
カラパイアで紹介したトビウサギやカモノハシ、ヤマネ、ウォンバットのほか、ポッサムやオポッサム、コウモリ、さらには犬や猫にコアラ、キツネ、クマ、ヒョウなども、蛍光することがわかってきている。
確かなのは、闇の中で何かがぼーっと光る様子は、実に魅惑的に見えるという事実だ。キノコ然り、地衣類然り、そして哺乳類や鳥類も然り。
いつかその謎が解明する日も近いかもしれないが、きっとそれでも美しく光る彼らの魅力が陰ることはないだろう。
References: Shocking Little Animals That 'Glow Pink' Are Stumping Scientists - The Dodo[https://www.thedodo.com/daily-dodo/shocking-little-animals-that-glow-pink-are-stumping-scientists] / Flying Squirrels Glow Fluorescent Pink Under Ultraviolet Light | Smithsonian[https://www.smithsonianmag.com/smart-news/flying-squirrels-glow-fluorescent-pink-under-ultraviolet-light-180971397/]