
イギリスはテルフォードにあるHoo Zoo and Dinosaur Worldで、1匹のカピバラが脱走を図った。
最後に目撃された地点は、動物園のフェンスの外。
その4日後、サーマルカメラ搭載のドローンを飛ばしたところ、森の中でこのカピバラらしき熱源体を発見。草を食べながら幸せそうにしていたという。
動物園では余計なストレスを与えてこれ以上動物園から離れないように、捕獲活動を一時停止すると発表した。
イギリスの動物園からカピバラが脱走
逃げ出したのは「シナモン」という名前のカピバラで、2024年9月13日に動物園をトボトボと脱走。14日に周辺の道路で目撃されたっきり消息を絶っていた。
この時点で動物園の敷地外へ出てしまったことが判明。動物園側は徹夜での捜索を行ったが、その行方は杳として知れなかった。
一晩中捜索したにもかかわらず、シナモンは見つかりませんでした。しかし地元の住民から非常に有益な情報を得ています。
現在、シナモンは動物園の北側にあるハンバー・ブルック周辺にいる可能性が高いと、私たちは考えています
ドローンで居場所を特定。森の中でまったりんこ
脱走してから4日後の17日の火曜日になって、動物園ではサーマルカメラを搭載したドローンを飛ばし、熱源探知でシナモンの居場所を探す試みを行った。
するとカメラに反応があり、動物園から約200m離れた森の中で、シナモンを発見することに成功した。
さらに翌日にも、シナモンが昨日の場所から5m以内の場所にいることが確認された。
どうやらシナモンはこのエリアが気に入っているらしく、周辺の草をおいしそうに食べながら、まったりとくつろいでおり、遠くへ行く心配はなさそうだ。
カピバラも幸せそうだし、捜査を一時中断
だが、居場所は特定できたものの、そこは人間が近づくのが非常に難しい場所だったため、すぐに身柄の確保に向かうことはできない状況だ。
残念ながらこのエリアは下草が極めて密生しています。シナモンなら簡単にその下を移動できますが、私たちには無理です
さらにカピバラは臆病なため、追いかけたらまた逃げ出してしまう可能性もあり、これが救出作戦をためらう要因の一つとなっている。
カピバラは非常に憶病で、訓練を受けていない人間がとらえようとすると、さらに手の届かないところへ追いやってしまうことにもなりかねません。
再び捜査を再開し、捕獲作戦を実行予定
そこで動物園側では一時捜索を中断。現地時間で9月20日の夜に、改めて捕獲作戦を実行に移すことにした。
捜索中、私たちはこのエリアで、たくさんのシナモンの足跡と排泄物を発見しました。彼女はここで、快適に幸せに暮らしているようです。
そこで我々は捕獲活動をいったん停止し、金曜の夜に再会することにしました。この間、野生動物捕獲の専門家と長い話し合いを続けて来ました。
私たちが懸念しているのは、シナモンのいる場所を騒がすことで、彼女がより危険な地域に移動してしまう可能性です。そうなったら、二度と彼女を取り戻せなくなるかもしれません。
現在、シナモンは快適に過ごし、満足しています。食料は足りており、捕食者がいる危険もありません。
つまり、十分に時間をかけて、ストレスのないやり方で、捕まえた方が良いという結論に達したのです
動物園ではこのエリアに複数の罠を仕掛け、毎日複数回チェックはしているというが、20日夜まで大規模な捜索は行わない方針だ。
このニュースはSNSを通じて世界を駆け巡り、多くのファンから心配する声が届いていた。
シナモンが世界中の多くの人々の心をつかんだことに、私たちは本当に感動し、圧倒されました。
皆さんが早急な解決を望んでいることは承知していますが、できる限りストレスを与えずにシナモンを取り戻し、彼女が幸せで健康でいられるようにすることが重要だという点に、同意していただけると信じています
追記:ついに捕獲!
現地時間の2024年9月20日金曜日の午後、動物園はSNSを通じて、シナモンを無事捕獲したことを発表したそうだ。
十人以上の専門家チームとボランティアたちが総出で作業を行っている様子がInstagramに投稿された。
シナモンは、きょうだいのチュロがいるカピバラブースへとと戻っていったそうだ。
動物園側はシナモンがこれまでの環境になじむため、ひきつづき監視を行うそうで、今週末の一般公開を控えることを発表した。
というか、シナモンは今頃、カピバラの仲間たちに、その武勇伝を語っているのかもしれない。
動物園のオーナー、ウィル・ドレル氏は、「シナモンが動物園に戻ってきて本当にうれしい。 シナモンの脱走に対する多くの皆様の反響にびっくりしました。