
Googleストリートビューを使うと、異国の街角を散策できたりしてなかなか楽しい経験ができる。
時には「なんじゃこりゃ?」というモノが写り込んでいたりして、ドキドキ・ワクワク、そしてゾッとする感覚まで味わえてしまうんだ。
さて、ストリートビューではプライバシーにかかわる箇所は、ぼかして掲載されている。だが時には「なぜここが?」と首をかしげるような場所がぼかされていることがある。
その理由はさまざまだが、多くの人に「見てほしくないモノ」であるのは間違いないようだ。
閑静な住宅街に突然現れる「ボカシ」
アメリカのオハイオ州クリーブランドの住宅街をストリートビューで見ていると、1か所、ぼかされた家が目に入るかもしれない。
人の顔や車のナンバープレートがぼかされているのはよく見かけるが、家が丸ごとぼかされているのは珍しいのではないだろうか。
恐ろしい監禁事件の舞台となった家だった
実はこの家、悪名高い「クリーブランド監禁事件[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E7%9B%A3%E7%A6%81%E4%BA%8B%E4%BB%B6]」の現場である。3人の若い女性がアリエル・カストロという男に誘拐され、性的虐待を受けていたのだ。
アマンダ・ベリー、ジーナ・デヘスース、ミシェル・ナイトの3人の女性たちは、2002~2004年にかけて誘拐され、2013年に事件が発覚するまでの約10年間、この家の中に監禁されていた。
2013年5月、カストロが家の鍵をかけ忘れた隙にアマンダさんが逃げ出すことに成功。隣人の助けを借りて、全員が救出されたのだ。
家の中には拘束に使われたと思われる鎖などが残されていた。だがカストロ本人は、法廷で「すべて合意の上だった」と主張した。
私はモンスターではありません。ただ、病気だったんです。
性行為やポルノへの依存がひどい状態でした。
私は女性たちを暴行したりしていません。性的な本能に従って行動しただけです。あの家で行われた行為は、すべて合意の上でした
もちろん、こんな主張が認められるわけがなく、カストロは誘拐や強姦、暴行など977件の罪で起訴された。
そして彼は、937件の罪を認めた上で司法取引に応じ死刑を回避。仮釈放なしの終身刑+禁固1,000年という判決を受けたのだ。
この司法取引について、被害者の女性の1人は、「死刑では被告が楽過ぎる」として歓迎する意向だったそうだ。
だが判決の1か月後、カストロは独房で首を吊って自殺した……。
「事故物件」ではないはずだが……
さて、日本には「大島てる」なるサイトがあるが、海外の事故物件も掲載されているのをご存じだろうか。
実はこのアリエル・カストロの家も、「クリーブランド監禁事件」として、「大島てる」のサイトに掲載されているのだ。
この一連の監禁事件では、一応殺人事件は発生していないことになっている(妊娠した被害者女性を暴行して流産させたケースは複数あったらしい)。
だから厳密には犯罪現場ではあるが、事故物件ではないかもしれない。しかし、10年にもわたって女性たちが監禁され、暴行され続けていた現場ということで、「恐ろしい場所」というイメージがついたのは間違いない。
無人になった家の前には、小さな十字架が置かれていた。
このおぞましい犯罪現場となった住宅は、被害者の1人ミシェル・ナイトさんが見守る中、2013年8月に取り壊され、今は更地になっているそうだ。
現在Googleマップに残されている画像は、2009年に撮影されたものらしい。次のGoogleストリートの更新では、このボカシも消えてしまっているかもしれないので、確認したい人は「2208 Seymour Ave(※)」で検索してみよう。
※現場となった家の番地は「2207」だったが、取り壊されたためか2207を入れても該当なしになる。
ぼかしてほしいときはGoogleにリクエストを
ちなみに自分の顔や家なんかをぼかしてほしい!と思ったら、Googleマップにリクエストできる。
住所を入れてストリートビューを開いたら、「問題の報告」でリクエスト画面に移動。ぼかしてほしい対象を指定し、理由をチェックして送信しよう。
References: Chilling reason why this one house on an ordinary street has been blurred out on Google Maps[https://www.unilad.com/news/us-news/google-maps-ariel-castro-house-253404-20241018]