木をかじっている途中で一時停止するビーバーかわよ。倒れるかどうか確認かわよ
木をかじっている途中に一時停止するビーバー

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 森の建築家とも呼ばれるビーバーは、その丈夫な歯で硬く大きな樹木をかじって倒し、ダムや池を作って豊かな生態系を作り出している。

 そんなビーバーが樹木をかじっている途中で一時停止することがあるという。

かじっては止まり、かじっては止まりを繰り返す。

 一時停止中は、ぽか~んとした表情をうかべ、我に返ったようにまた木にかじりつくのだが、これにはちゃんとした理由があるようだ。

 止まった時の仕草がかわいすぎるので、そればかりに気を取られてしまいがちだが、彼らなりの知恵と工夫があるようだ。

木をかじっている途中で一時停止し、また再起動するビーバー

XやRedditなどで話題となっていた動画は、ビーバーが太く大きな木をかじっているシーンだ。

 ただかじり続けるのではなく、なんどかかじるのをやめ、ぽか~んとした表情を浮かべながら、再び我に返ったように木をかじるのを再開する。

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木が倒れるかどうか一旦動きを止めて音で判断

 それはいったいなぜなのか?

 動画の投稿コメントによると、ビーバーは木をかじっている最中、音を聞いて木が倒れてくるかどうかを確認しているのだという。

 わずかな音の違いがわかるようで、倒れることがわかったら、巻き添えにならないように、木から距離を置くのだそうだ。

 実際に動画の後半の暗視映像には、音を聞いて避難するビーバーの様子が映し出されている。

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 かじっていたのでは自分のカリカリ音ばかりが聞こえてくるので、木から出ている微妙な音を聞き取ることができない。

 そのために一旦かじるのをやめ、木の音を聞くことで、木が倒れるかどうかを確認しているらしい。

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 映像を見る限りでは、本当に微細な木の音の変化を感じ取り、このままかじり続けるか、この辺でやめるかを判断しているように見えるね。

 このような行動は、ビーバーのもつ本能的なものや安全を保つための知恵の一つとも考えられるが、科学的な文献を探したところ、見つからなかったので、断定はできないけど、森の天才建築家だもの、そのような能力が身についていてもおかしくはないと思えてしまうね。

強靭な歯を持つビーバー。かじらないと歯が伸び続けてしまう

 ビーバー科に属するビーバーは2種が知られており、北米とユーラシアに生息している。

どちらも水辺に生息し、巧みにダムを築くことで知られている。

 木をかじり、枝や泥などを使ってダムを作り、池や流れをせき止めることで、生息環境を整える。これによりビーバー自身はもちろん、他の多様な生物が共存しやすい環境になることから、彼らは自然界で重要な役割を果たす存在ともいわれている。

 ビーバーの前歯は一生伸び続けるため、木をかじることで歯を削りながら適切な長さを維持しているという。

 これはげっ歯類全般に共通する特徴で、もしかじることを止めると、前歯が長くなりすぎて正常な生活ができなくなってしまうそうだ。

 ビーバーの前歯のエナメル質は他の動物よりも硬く、オレンジ色をしていることが特徴だ。あとヌートリアも同様の色をしている。

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 このオレンジ色は鉄分によるもので、鉄を含むエナメル質は非常に硬く、木や硬い物質をかじるのに適しているという。

 また、非常に強力な顎の筋肉を持っており、この筋肉が硬い木をかじるときに大きな力を発揮する。

 強い顎の力と硬いエナメル質の前歯の組み合わせにより、ビーバーは硬い樹木もかじり倒すことができるのだ。

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