
南米ペルーで家族と共にくらす犬のポーラは、近所にあるアマゾン川の支流でハイキングを楽しむのが好きだ。
ポーラが来るのを心待ちにしている生物たちがいる。
ポーラが来ると、毎回、美しい蝶が次々と集まってきて、その体にとまったり、その周囲をはばたき続けるのだ。
ポーラはまるで蝶の守護神であるかのような存在なのだという。
なぜか蝶が群れを成して集まる不思議な魅力を持つ犬
ペルーのマドレ・デ・ディオス県はアマゾン川の支流、マドレ・デ・ディオス川が流れる自然豊かなジャングル地帯で、生物の多様性を感じられる場所だ。
この地帯で飼い主と共にハイキングをするのが大好きなのが、白色系のテリアミックスのポーラと、茶色い毛皮を持つカルビンだ。
ポーラがこの周辺で遊んでいると、なぜか美しいオレンジ色のオオカバマダラを中心とした蝶が次から次へとポーラの元に集まってくる。
そしてポーラに群がり、その体の頭から尾まで鮮やかなオレンジ色の羽で覆い尽くすのだ。
蝶の大群は、ポーラの体の近くを舞い、隙あらば体に止まろうとする。とてもファンタジーな光景だ。
ポーラはとてもフレンドリーな犬だが、背中にたくさんの小さな友達を乗せて歩き回るのは苦手なようだ。
時々体をブルッと降って、蝶たちを払い落とそうとするが、すぐにまた蝶は集まってくる。何度払いのけようとしてもどこまでも蝶に追いかけられるポーラ。
いったいなぜポーラは蝶々を惹きつけるのか?
この動画を投稿した飼い主の@abychan12[https://www.tiktok.com/@abychan12]によると、蝶々は茶色の毛を持つカルビンにはほとんど寄り付かないそうだ。
その秘密は毛色にあるのかもしれない。
これらの動画に寄せられたコメントによると、蝶は白いものに集まる習性があるという。
実際に科学的に確認されたわけではないが、蝶は光の反射に引き寄せられることが知られている。
ポーラは白い毛をしており、他の色よりも多くの光を反射する。それがオオカバマダラや他の蝶たちの注意を引いた可能性はありそうだ。
また、蝶や蛾は、塩分やミネラルを求めて動物の皮膚や汗に集まることがある。ポーラの汗や湿気を含んだ白い毛皮は蝶たちにとって最高の栄養分となるのかもしれない。
他にも蝶や蛾の行動として「ラクリファジー(lachryphagy)」があげられる。これは、哺乳類や爬虫類の涙を舐めて、たんぱく質や塩分、ミネラルといった足りない栄養を補う習性のことだ。
でもどうしてカルビンよりもポーラなのだろう?やはり白い毛皮が関係しているのかな。
今のところ、オオカバマダラが気にかけているのは唯一ポーラだけだ。ポーラにとっては、少々煩わしいかもしれないが、徐々にこの関係に慣れてきつつあるという。
飼い主いわく、ポーラは蝶たちにとっての守護者のように見えるという。