
クウェート北部の先史時代の遺跡バーラ1で、エイリアンやヒト型爬虫類レプティリアンを彷彿させる粘土像が発見された。
つり上がった目、のっぺりした鼻、細長く変形した頭部は、人間というよりまさにトカゲ、レプティリアンのようだ。
こうした様式の像は古代メソポタミアではよく見られるものだという。だがクウェートなどアラビア湾周辺で見つかるのは初めてのことだ。
遺跡バーラ1は、アラビア半島でもっとも古い集落のひとつで、紀元前5500年から4900年頃まで人が居住していたという。
古代メソポタミアの影響を受けたウバイド文化
クウェート北部の遺跡「バーラ1」には当時ウバイド族が住んでいた。彼らが築いたウバイド文化[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%83%90%E3%82%A4%E3%83%89%E6%96%87%E5%8C%96]はメソポタミアに起源があり、エイリアンめいた小像などのユニークな陶器で知られている。
ウバイド文化は紀元前6000年頃にアラビア湾の新石器社会と融合したという。こうした民族と文化の出会いは、先史時代の文化交流のるつぼとなった。
ウバイド文化の小像がアラビア湾で発見されたのは初めて
この粘土製の小像の発見が驚きなのは、アラビア湾地域においても初めての発見だったからだ。
アラビア湾岸地域特有の粒子の荒い赤い陶器とは違い、メソポタミアの粘土で作られている。
つまりウバイド族はこの地域に独自の伝統を積極的に持ち込んだことになる。
ウバイドの小像は「トカゲの頭のような」、「鳥のような」、「蛇のような」と形容されることもある。
新たに見つかったこの小像は、墓などの特別で象徴的な場所ではなく、日常の生活の場で発見されたものだが、なんらかの意味が込められていた可能性が高いという。
ベルギー、ゲント大学の近東考古学者オーレリー・デームス氏は、バーラ1遺跡でのこの発見は、ウバイド族の儀式や社会習慣に関する研究課題や、先史時代の湾岸地域とメソポタミアの関係を明らかにしてくれる可能性があるという。
ウバイド文化の小像と頭蓋変形の習慣の関係
なぜ、これら小像は人間を模したとは思えないこんな特異な頭をしているのか、正確なことはわかっていないが、様々な仮説が立てられている。
ウバイド文化が崇拝していたヘビの精霊の象徴だとする学者もいれば、人工的な頭蓋骨の変形を表すものだと指摘する学者もいる。
確かにこうした頭蓋変形はウバイド社会では習慣的に行われていて、メソポタミアで出土している人骨にもその証拠が見られる。
幼児のまだ結合していない柔らかな頭に包帯をきつく巻きつけることで頭蓋を変形させたという。
階級、文化、特殊なグループへの所属などアイデンティティの印として、こうしたことが行われていたのではないかと推測される。
ウバイドの人々は、紀元前8000年と7000年に現在のイランでこの頭蓋変形の慣習を取り入れた可能性があり、紀元前5000年頃がピークだったという。
References: Kuwaiti-Polish team discovers figurine, local pottery production, and environmental clues[https://pcma.uw.edu.pl/en/2024/11/28/kuwaiti-polish-team-discovers-figurine-local-pottery-production-and-environmental-clues/] / 7,000-year-old alien-like figurine from Kuwait a 'total surprise' to archaeologists | Live Science[https://www.livescience.com/archaeology/7-000-year-old-alien-like-figurine-from-kuwait-a-total-surprise-to-archaeologists]