
2025年1月7日に発生したロサンゼルスの山火事だが、カラパイアでも何度もお伝えしている通り、この火災により被害を受けたのは人間だけではない。多くのペットや野生動物たちも被害を受け、ケガをしたり住む場所を失ったりしている。
そんな中、現地でペットの大きなリクガメが、焼け落ちた住宅から救出され、飼い主一家と無事に再会を果たすという、明るいニュースが飛び込んで来た。
裏庭の穴の中から発見されたペットのカメ
まずはこちらの動画を見てもらおう。サンディマス保安官事務所のパトカーに乗せられてきたのは、「ロッキー」という名前のリクガメだ。
ロッキーは体重約45kgのリクガメで、アルタデナ地区に住むとある家族のペットだった。
今回の火災で全焼した自宅の裏庭で、穴の中で生存しているところを、保安官代理に無事救助されたのだという。
歩みの遅い亀が火災から逃れるのは困難だ。だが飼い主は避難指示を受け早急に家を離れなければならず、以来辛い思いをしていた。
動画には、ペットとの再会に、「やった! ロッキーが帰って来た!」と、笑顔で叫んでいる飼い主の様子も写っている。
飼い主といっしょに避難できず施設に預けられたカメも
ペットのカメが救出されたのはロッキーが初めてではなく、「ハックルベリー」という名のリクガメは、一時的に保護されていた。
ハックルベリーはパサデナに暮らす家族のペットだが、飼い主の一家は7日に自宅からの避難を余儀なくされた。その時、ハックルベリーを運び出すのを手伝ったのが、非営利団体のパサデナ動物愛護協会[https://pasadenahumane.org/]だった。
だが、当時は飼い主がリクガメと一緒に避難できる場所が見つからなかったため、ハックルベリーはいったん同協会が預かることに。
そして17日になって、ハックルベリーはようやく飼い主と再会できることになった。ハックルベリーは現在28歳で、体重約90kg。
避難に巻き込まれてケガをした野生動物も
保護される動物たちの多くは山火事で飼い主と離れ離れになり、ケガをしたり脱水症状を起こしたりしているペットたちだが、中には野生動物も混ざっている。
下の画像は保護されたボブキャットだが、彼は山火事で直接ケガをしたわけではなく、避難を急ぐ車にはねられたらしい。
広大な地域で炎症が続く山火事では、そこで暮らす野生動物たちも移動を余儀なくされる。そしてその結果、人間や車と接触する可能性が高まるのだ。
災害に備えたペットのためのチェックリスト
パサデナ動物愛護協会では800匹以上の動物たちを助け出し、今も施設内でその多くの手当て・保護を続けている。
避難した飼い主の多くは、山火事によって自宅や財産を失っており、ペットたちがいつ飼い主のもとへ帰れるかわからない状況だ。
保護される動物が増えるにつれ、その餌代や治療費も増え続けており、同協会ではさらなる寄付[https://pasadenahumane.org/]を呼び掛けている。
また、ペットの飼い主に向けた非常用のチェックリストを公開し、特にマイクロチップの埋入を実践するよう強く勧めている。自然災害の多い日本でも参考になると思うので、ざっくり翻訳しておこう。
- 自動給餌器や給水器を使用している場合は、停電に備えてください
- ペットを素早く移動させられるよう、キャリーや餌、フード、予備の用品を用意しておきましょう
- ペットを預ける必要が生じた場合に備えて、すべての動物のワクチンを最新の状態に保ってください
- すべての投薬が、用量と投与方法とともに文書化されていることを確認しましょう。かかりつけの獣医師からの処方箋も添付しておくと役立ちます
- ペットには、IDタグ付きの首輪とマイクロチップを付けてください