タンポポの綿毛?ふわふわ毛玉?妖精のようなかわいいヒナは成長するとどうなる?
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 この世には人が無条件に「かわいい!」「尊い…」と、うるうる見つめてしまう対象が存在する。

 今回紹介するのは、まるでタンポポの白い綿毛のような幼羽に覆われた、卵から孵化したばかりの小さな鳥のヒナだ。

 さてこのヒナは成長するとどんな種類の鳥になるかわかる人はいるかな?驚くほどの大変身を遂げるよ!

ふわふわの白い毛玉みたいなヒナ

 今回紹介するこの白い毛玉。タンポポの綿毛にピンク色のくちばしと足指かついた感じだろう。

 もし巣から落ちていたらすぐにやさしく拾い上げて一旦保護したくなるレベル。

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 だが保護するのなら注意しなければならない。この鳥は肉食で、主食とするのは昆虫やムカデ、小型の爬虫類や両生類、哺乳類などだ。

 ヒナの場合はイモムシやミミズなどの柔らかい幼虫を用意しなければならない。

 さあ、大きくなったら何になるかわかったかな?

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オーストラリアズクヨタカのヒナだった!

 実はこの子、ヨタカ目ズクヨタカ科に分類されるオーストラリアズクヨタカのヒナなのだ。オーストラリア全土とニューギニア島南部の森林地帯に生息する夜行性の鳥で、日中は木の穴や枝のくぼみ(洞)に隠れて過ごしている。

  今回紹介したヒナの写真は、Wild Animals Australia[https://www.facebook.com/wildanimalsaustralia]のFacebookページに投稿されたものだが、そのキャプションにはこう記されている。

このタンポポの綿毛のようなヒナは、ヨタカ目ズクヨタカ科に分類されるオーストラリアズクヨタカです。

木の洞(うろ)がなければ、この鳥は存在できません。彼らのためにも、ぜひ穴のある成木を保護してくださるようお願いします

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 見事なツンツンヘアーから、「足のついたコットンボール」やら、「掃除に使う「パイプブラシみたい」だとか、植物の「ブラシノキの花そっくり」とか言われること。

 こちらが「ブラシノキ」の白花。たしかに何となく似てるかも。

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成長するとこんな感じ

 現地ではモス・オウル(蛾フクロウ)やフェアリー・アウル(妖精フクロウ)とも呼ばれるが、フクロウとはまったく異なる分類に属する鳥類だ。

 羽毛の色は、木の樹皮や枯葉に擬態するために進化したそうで、成長すると灰褐色がベースとなり、環境に応じて色調が微妙に変化する。

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 また、まだらの斑点模様が全身に散らばっており、樹皮の模様や影のように見える効果があるそうだ。

 親御さんも十分かわいいけど、あの真っ白ヒナがこうなるとはびっくりだよね。

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ヨタカに似ているのは収斂進化

 以前に紹介したガマグチヨタカのヒナもやっぱりモフモフの白い毛玉でとてもよく似てはいるが、このオーストラリアズクヨタカのヒナは、ガマグチヨタカのヒナよりも若干小さい。

 また、ズクヨタカ類は、見た目や生態がヨタカに似ているが、系統的にはヨタカよりもアマツバメやハチドリに近いと考えられている。

 生態や外見がヨタカに似ているのは、収斂進化によるものだそうだ。

 オーストラリアズクヨタカはユーカリやマングローブの木の洞や割れ目に巣をつくるのだが、特に巣作りの際はユーカリの葉を中に敷き詰めることがある。これはユーカリの持つ殺虫成分を利用しているんだそうだ。

 こちらは少し大きくなった、生後21~29日目のオーストラリアズクヨタカのヒナ。まだ換羽の途中で、綿毛のような白い羽が残っているのが見える。

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 この写真を見た人々からは、口々に「かわいい」「尊い」といった感嘆の声が寄せられている。

  • なんてゴージャスな毛玉なの?
  • こんな可愛いものを見たことがないよ
  • 今まで見たこともないし、存在も知らなかった
  • タンポポっていうのは完璧な言葉だね
  • この子の目はどこにあるの?
    • あと1週間くらいは外から見えないみたい
  • 昔、実家のカーポートで成鳥を拾ったことがある。
    その夜のうちに飛び去ったけど、素晴らしい鳥だったわ
  • 冷蔵庫にイチゴを放置した結果、って感じ
    • こんなにふわふわのカビなら受け入れちゃう
  • もしこんな小さなヒナを保護したとして、育てられなかったら?
    • 最寄りの保護団体にすぐ連絡を!

 幸いにもこの鳥はオーストラリアに数多く生息する、絶滅の恐れがない種だ。だが前述の通り、夜行性で昼間は木の洞などに隠れていることが多いため、実際に目にする機会は少ない。

 猛暑の折などは、昼の暑さから逃れるように、木の洞から出てきて涼んでいる姿が見られることもあるらしい。

 バードウォッチャーたちにとっては、オーストラリアズクヨタカは一種のあこがれの鳥みたいだ。もし旅行中などに見かける機会があったら、迷わずシャッターを切ってみよう。

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