
我々が住んでいるこの地球には、まだまだ想像を絶する、謎多き地形がいくつも存在しているようで、その発見はグーグルマップから始まることが多い。
そして今回またしてもグーグルマップで謎の物体が発見された。
海の中にぽっかりと、三角形の黒い穴が開いているようなこの地形。はたして地球に開いた穴なのだろうか?その正体はこの後すぐ!
太平洋の真ん中にある三角形の穴の謎
この「三角穴」のようなものが存在するのは、ハワイから真南に南下してフランス領ポリネシアに到達する手前の、太平洋のど真ん中だ。
グーグルマップの画像を見ると、海の真ん中にぽっかりと三角形の穴が開いているように見える。
この画像が2021年にグーグルマップに掲載されると、掲示板やSNSを中心にさまざまな説が飛び交った。
- 神様が落としたギターのピックみたい
- 地上に出現したブラックホールかも
- いや、極秘の軍事施設があって、黒く塗りつぶされているんだよ
- 海底火山じゃないかなあ
- 地球の空洞の入り口だ!
- イカゲームの舞台
- 温暖化でジャングルが焼け落ちて、黒い炭だけが残ったんじゃないか?
- 多分、熱帯の樹木が密生して黒く見えているだけだと思う
- 私には穴にしか見えない。隕石が作ったものかも?
- 聖書の黙示録に登場する、災いが出てくる穴かもしれない
- ただの環礁じゃないの?
だがそんな「謎」にネット民たちがワクテカしたのもほんの一瞬で、すぐにこの場所の正体が判明することになる。
その正体はキリバス共和国の無人島だった!
結論から言うと、この三角形の黒い穴に見えるのは、キリバス共和国に属する無人島の「ヴォストック島」である。
ただしこの島にはいくつもの異称があって、ステイヴァー島やボストック島、レヴィッツ島など様々な名前で呼ばれることもあるそうだ。
島の面積は約24ヘクタール(約240,000平方m)で東京ドームの約5個分という、小さな絶海の孤島なのだ。
ではなぜこの島が穴に見えるのかというと、島の表面がほぼ完全に樹木で覆い尽くされているせいだという。
島の主な植生は「ピソニア」と呼ばれるオシロイバナ科の常緑樹で、和名は「オオクサボク」。ねばねばした種子を鳥に付着させることで、島の間を移動して増えるのだとか。
大きなものは高さ30mくらいになるらしいが、ヴォストック島では海からの強風で「剪定」されてしまい、そこまで高く育たない代わりにぎっしりと密度が高くなったようだ。
この島に一番近い有人島はクック諸島の島々だが、そこの住民たちもヴォストック島のことは20世紀に入るまで知らなかったらしい。
1820年にドイツ系ロシア人の探検家ファビアン・ゴットリープ・フォン・ベリングスハウゼンによってはじめて発見され、彼が乗って来た船の名前「ヴォストック(ロシア語で東を意味する)号」にちなんで名付けられたという。
その後アメリカが領有権を主張したり、イギリス領ギルバート・エリス諸島を経て、1979年にキリバスが独立した際に、正式にキリバス領となった。
現在はキリバスのヴォストック島自然保護区(Vostok Island Wildlife Sanctuary)に指定されており、接岸できる場所もないため、残念ながら観光で訪れるのは難しいみたいだ。
References: Earth from space: A mysterious 'black hole' in Pacific Ocean that sparked wild rumors online[https://www.livescience.com/planet-earth/rivers-oceans/earth-from-space-a-mysterious-black-hole-in-pacific-ocean-that-sparked-wild-rumors-online]
本記事は、海外で公開された情報の中から重要なポイントを抽出し、日本の読者向けに編集したものです。