
怪奇現象なのか?自然現象なのか?SNSで美しくも恐ろしい波の動画が話題になっている。水面には無数の四角い形が浮かび上がっているのだ。
トルコ沖のエーゲ海で謎めいた波にとり囲まれ、当惑する乗組員たち。船上にいる彼らが見ていたのは格子状の波、「スクエア・ウェーブ」と呼ばれるものだ。
実はこれ、珍しいと同時にきわめて危険な自然現象なんだそう。
これが出たらすぐにでも陸へ!といわれるほど恐れられている奇妙な波にせまってみよう。
漁船の乗組員が見た奇妙な波
トルコ沖、エーゲ海に出ていた漁船の乗組員が当惑ぎみに眺めていたもの。それは通常の波とはまったく違う、格子状の波だった。
いやいや見てるこっちも、CGとか加工とかでなく?ガチでこんなんあるの?ってなる。
遠目に見てもあきらかに奇妙だ。どう見ても知ってる海の波と違うし。まるで異世界に迷い込んだように四角い波が整然とどこまでも続いている。
異なる二つの波が交差して格子状になる自然現象
海外では「スクエア・ウェーブ(square waves)」または「クロス・シー(cross sea)」などと呼ばれるこの現象は、二つの異なる波が異なる速度と軌跡で移動することで生じるものだ。
それらの波が90度近くで交差することで、海面に格子模様を作り出す。
撮影時期は不明だが、XユーザーVolcaholicが2025年2月21日にポストしたこの映像は大反響を巻き起こし、再生数10万回を超えている。
さらにインスタグラムでも拡散中。
格子状の波の危険性
海をよく知る人々にとって、この波はただちに避けるべき恐ろしい現象だ。
なぜならこの波は、ときに高さ約3メートルに達する強力な波や異常な風を伴うことがあり、船乗りや遊泳者にとってきわめて危険なものになるからだ。
格子状の波は見ために整然として、美しくもあるが、2つのうねりで船舶を操縦不能に陥れ難破させたり、泳いでいる人も容易に流してしまうため、海難事故の原因としても知られている。
欧州宇宙機関のデータでも、1995年から1999年の間に発生した船舶事故の多くが、この波に関連している。
そのため万一この波に遭遇した場合は、船なら浅瀬にとどまって深い海域の航行を避けること、泳いでいる人の場合はすみやかに陸に向かうこと、その際は流れに逆らわず、斜めに泳いで脱出するよう注意喚起されている。
発生しやすい場所
近年では、潮流や風や海底の地形によって波の向きが変わることで、このように異なる波が交差すると考えられている。
この波が起こりやすい海域もわかっており、主にエーゲ海、フランスのノワールムティエ島、そしてバルト海沿岸で見られやすいが、予測は難しいそう。
しかしこれ、知らなかったら思わず魅入ってしまいそう。
こ、これは…?なんて眺めてるうちに大きな波に襲われるとかほんと怖いな。昔なら伝承になるぐらいの恐ろしさだったんじゃなかろうか。日本なら海の怪談話とかになってそう。
浅瀬でも起こりうる珍しい海洋現象なので、記録や撮影も大事かもだが、もし海でこうした波を見かけたら、なにより身の安全の確保だな。怖さを知らずに命を落としては元も子もないもんね。
References: Wikipedia[https://en.wikipedia.org/wiki/Cross_sea]
本記事は、海外の記事を参考に、日本の読者向けに重要な情報を翻訳・再構成しています。