世界一怖いもの知らずの動物、ラーテルがヒョウの母子3匹と対戦、その結末は?

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 弱肉強食の野生の王国では、捕食する側とされる側の間に命を懸けた壮絶な戦いが繰り広げられている。

 南アフリカのクルーガー国立公園で、3頭のヒョウがラーテルを仕留めた…ように思われた。

だが、ラーテルも最後の力を振り絞って反撃する。

 ご存じの方は知っての通り、ラーテルは「世界一怖いもの知らずな生き物」認定された動物だ。さて、この闘いの結末やいかに…?

サファリツアーの途中で見かけたヒョウ一家を追ってみた

 南アフリカのクルーガー国立公園は、野生の生き物たちの赤裸々な日常を目の当たりにできる場所として、観光客はもちろん、多くの研究者たちにも注目されている。

 北はジンバブエ、東はモザンビークと接しており、両国内にある国立公園と合わせて、国境を越えた越境保護区として、野生動物の保護と、サファリツアーなど観光客の誘致に取り組んでいる。

 そんなクルーガー国立公園内で、2022年秋に珍しい光景が撮影された。ヒョウの家族とラーテルとの、命を懸けたやり取りの様子だ。

 フィールドガイドのダン・ファイザーさんと、ビジネスコンサルタントのパオラ・ムルギアさんは、サファリツアーの最中に母子3頭のヒョウの一家に遭遇した。

 もしかすると狩りのシーンが見られるかも?と思った一行は、彼らの後を追いかけてみることに。

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ラーテルを捕らえた一家、反撃にあってタジタジに

 そしてしばらくすると、川沿いの葦の茂みの中で、何やらヒョウ一家を巻き込むバトルが勃発したようだった。

 よく見ると、ヒョウたちは1匹のラーテルを押さえつけていた。狩りは成功したかに思えたのだが…。

 なんと突然、組み伏せられていたラーテルがはね起きて、ヒョウたちに反撃を開始したのだ。

私たちが乗った車は、サンド川の土手に座っている母ヒョウと2頭の子ヒョウのファミリーのそばに駐車していました。

彼らが上流に移動するのを追いかけると、子ヒョウたちが葦の中に入っていた矢先に大きな騒ぎが起こり、母親もそれに反応しました。



そのうちに3頭とも姿を現しましたが、彼らはなんとラーテルと格闘していたのです

 すごい勢いで果敢にもヒョウに食ってかかるラーテル。そのあまりの剣幕に、さすがのヒョウもビックリだ。

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 だが多勢に無勢、身体の大きさも攻撃力も段違いのこの状況で、ラーテルに望みはあるのだろうか…。

「世界一恐れを知らない生き物」にケンカを売ってしまった結果

 しかし、事態はこの様子を固唾を飲んで見守っていたツアー客たちの予想を裏切る展開に。

私たちは最初、「ヒョウたちが何かを捕まえたみたいだね」程度の反応でした。獲物が何なのかまではわからなかったんです。

それがラーテルだとわかった時、私たちはショックを受けました。ラーテルは恐れを知らない、タフな動物として知られているからです

 ヒョウたちは交代でラーテルに襲いかかったが、決定的な一撃を与えられないでいた。

 そしてしばらくすると、ラーテルは何事もなかったかのように川を渡って去って行った。その後ろには、戦意喪失した表情で、その姿を見送るヒョウたちの姿があった。

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 この動画を見た視聴者からは、多くの感想が寄せられていた。

  • なんでアフリカまで旅行してサファリに行って、こんなすごい光景に出会ったってのに、縦向きに撮影するんだよ!
    • 何が問題なんだ。モバイルの時代だってわからない?
  • 映像として残されていなかったらきっと信じなかったと思う。
    素晴らしい仕事だ
  • ラーテルが最初に突っかかっていったのが、自分に何もしてこないヒョウだったのがいいね
    • ただ見ていただけだったのにね
    • そいつがボスだってわかってたからだよ。ボスを倒せばおしまいだ
  • 若いヒョウの子供たちに、ラーテルに対する敬意の払い方を教えたんだな
  • 尊敬するよ。 3頭とそれぞれ戦って、まるで何も気にしていないように立ち去るなんて
  • 本当に何も心配していないように立ち去るなんて! 走りもしないし、振り返りもしなかった
  • ラーテルは信じられないほど分厚い皮膚を持っているんだ。大型の肉食獣が噛みつこうとしても、気にせず向きを変えて反撃する。きっとラーテルには大きなケガはなかったと思うよ
  • こいつらと素手で戦える人間は、地球上にはいないと思う
  • ライオンはラーテルを殺すことがある。でも、とてもエネルギーを使うので滅多にやりたがらないんだ。ヒョウが年老いたラーテルを仕留めるシーンを動画で見たことがあるけど、それでも1時間以上かかっていたよ
  • タイトルを見た時、僕はヒョウのほうを心配したよ。ラーテルは恐れを知らないやつらだからね
  • ヒョウのお母さんは子どもたちに、「ほらね、コレに手を出しちゃダメよ」って教えてたんだな

プレデターも舌を巻く小さな暴れん坊、ラーテル

 ラーテルはイタチの仲間で、ミツアナグマとも呼ばれている。英語では「Honey badger[[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%86%E3%83%AB#cite_note-vanderhaar_hwang-5](ハチミツアナグマ)」で、これは蜂の巣を襲ってハチミツを食べることからつけられた名称のようだ。

 雑食性で、ハチミツや果実、小動物や鳥類、蜂の幼虫なども好んで食べるという。危なくなるとスカンクのように、強烈な悪臭を放つ液体を噴射して、敵を追い払うんだとか。

 有毒なコブラたちの毒に耐性があり、噛まれても数時間後には復活するタフさを持つ。

また、表皮は柔軟性に富んでおり、巨大な肉食獣の牙や爪でも、ラーテルの皮を引き裂くことはできないらしい。

 このようにラーテルは、たとえ襲われても相手が自分を傷つけられないとわかっているようだ。いわば「無敵」な状態なわけで、食物連鎖の頂点にいるプレデターに対しても平気で全力で反撃する。

「世界一怖いもの知らず」という異名の由来もまさにそれ。おまけに気性もかなり荒いため、ブチ切れたらライオンやヒョウのような強敵相手にも容赦ない攻撃を繰り広げるんだそう。

 今回も命がけの闘いで、その本領が発揮されたもよう。この一部始終を目撃したガイドのダン・フィサーさんは感無量だったようで、「これは一生に一度見られるかどうかの光景だった」と興奮気味に語っていた。

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References: Watch 3 Leopards Engage In Epic Battle With Honey Badger[https://latestsightings.com/single-post/watch-3-leopards-engage-in-epic-battle-with-honey-badger]

本記事は、海外の記事を基に、日本の読者向けに重要なポイントを抽出し、独自の視点で編集したものです。

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