
アメリカの動物園で雪積る夜、カワウソ2匹が脱走した。地中に埋められたフェンスに亀裂があり、そこを広げて逃げ出したとみられている。
動物園はつがいの2匹を捕まえるため、付近に捕獲器をいくつかおいて、監視カメラを設置した。
カメラの映像には、捕獲器に近づき中に入ろうとしているような1匹のカワウソの姿があった。だが最終的には入ることなくどこかに逃げてしまった。
捕獲失敗にがっかりした動物園だが、その要因もすぐにわかった。なんとアライグマが一足先に全ての罠を作動させていたせいだった。
雪の日に動物園からカワウソ2匹が脱走
アメリカ、ウィスコンシン州の動物園「NEW Zoo & Adventure Park」で、2025年3月20日の早朝、2匹のカワウソ、ルイ(オス)とオフィーリア(メス)が雪に紛れて動物園から脱走したことを発表した。
フェンスの地中に埋められた部分に亀裂が発見され、ここを広げて脱走したことが判明した。
雪の上には足跡がはっきりと残っていたので、プロの追跡者が派遣され、2頭の居場所の特定に協力した。
以下が脱走時の映像である。
動物園は、逃げ出したカワウソたちが、雪の中で遊ぶ様子を捉えた監視カメラ映像も公開している。
動物園によると、カワウソは自力で帰ってくるかもしれないとし、直ちに危険にさらされる可能性は低いという。
カワウソの捕獲を試みるも、アライグマに邪魔される
動物園はカワウソたちを戻そうと、居場所付近にいくつかの捕獲器をしかけた。中に餌が入っており、入ると扉が閉まるタイプのものだ。
少なくとも1匹のカワウソが捕獲器を繰り返し訪れたことが監視カメラの映像で確認できたが、既に扉が閉まっており、中に入れずにそのままどこかにいってしまった。
なんとアライグマが、事前に罠を作動させてしまっていたのだ。
「残念ながら、アライグマは私たちの努力を妨害し、カワウソがやって来て中に入ろうとする少し前に罠を作動させてしまいました」と、動物園はFacebookでその時の映像と共にコメントした。[https://www.facebook.com/watch/?v=2745468052306422]
動画の後半部分に、アライグマの痕跡が残されている。
園側は、カワウソたちを捕獲するために、新たに「アライグマ対策済み」の罠を設置し、成功の確率を高めようとしている。
また、地域住民に対し、目撃したら情報を共有するよう協力を呼びかけている。
ただしこの地域にはミンク、ネズミ科マスクラット、ウッドチャック(マーモットの一種)など、遠目にはカワウソと似た哺乳類も存在するため、目撃した際には画像や動画の提供を求めている。
アライグマはカワウソたちを助けようとして、自ら罠を解除したのか、罠にかかったのかどうかはわからない。
なんせ彼らの手先は器用で、進路の邪魔になる紐をほどいて、別の場所に結び付けることすら可能なのだ。
カワウソだけ捕まえようとするつもりが、アライグマも巻き込んでしまったとあっては作戦を練り直さなくてはならないのも当然だろう。
無事にカワウソたちが保護できるといいが、カワウソたちが自然の環境で生き延びられるというのなら、それはそれでありなのかもしれない。
追記:(2025/06/07)
逃げ出した2匹のうち、オフィーリアは2025年4月2日に無事捕獲され、施設に戻されたと発表された。
また、2025年5月30日、動物園は「ルイは自然の中で生きることを自ら選択した[https://www.facebook.com/NEWZooGB/posts/pfbid02HMqttxCbKH2LKyYfVcnqWzvxp6xptAXQ1QjTAz1QiXm9dHYtn2JSeMhvp5yg3gQvl]」として、捜索の打ち切りをFacebook上で発表した。