
ポーランドにある小さな町、オワバの病院の緊急外来に、一匹の小さな野生のウサギが迷い込んできた。そのウサギは手のひらほどの大きさでとても衰弱していた。
するとウサギは人間を怖がるどころか、助けを求めるかのように、ヨタヨタ、ぴょんぴょんと、病院スタッフの後をついて回りはじめた。
これは助けてあげなくては!そう思った病院スタッフは、様々な善意の人々の連携プレイにより、このウサギを救うことに成功した。
そのやさしさあふれる物語を見ていこう。
病院スタッフの心を動かしたウサギの必死の訴え
人間の救急外来に野生のウサギが飛び込みでやってくるのは珍しい。病院の看護師たちは目を疑ったという。
そのウサギは小さく、ひどく衰弱している様子だったという。
そのような状態にもかかわらず、ウサギは病院スタッフの足にしがみつき、どこまでもついて行こうとした。まるで「助けてほしい」と訴えているようだったという。
ウサギに非常事態が迫っていることを悟った病院のスタッフたちは、すぐに地域の支援を求めた。
地域の人々が連携し、ウサギをリハビリセンターへと移送
すると、地元の行政機関や水上警備隊が協力を申し出た。
さらに、オワバの町から約50km離れたヴロツワフ市内にある野生動物リハビリセンターまでウサギを運ぶため、配車サービス「ボルト(Bolt)」のドライバーが名乗りを上げた。
このドライバーは、ウサギのために無料で移動を引き受けたという。
リハビリセンターで看護され、ウサギたちに受け入れられる
ヴロツワフの野生動物リハビリセンターに到着したウサギは、極度の飢えにより衰弱していた。
そこで施設のスタッフが特別なミルクを与えると、ウサギはすぐに勢いよく飲み始めた。
その後、センターで保護されている他のウサギたちと対面したところ、このウサギは大歓迎で受け入れられたという。
リハビリセンターを運営する「エコストラズ(EKOSTRAZ)」は、SNSでこう報告している。
他のウサギたちは、新しい仲間をまるで兄弟のように迎え入れました。最初は匂いを嗅いだり舐めたりして確認していましたが、すぐに完全に受け入れました。年長のウサギたちはすぐにこの子ウサギの世話を始めたのです
この出来事がSNSで紹介されると、瞬く間に拡散され、多くの人々から感動の声が寄せられた。
「病院スタッフの優しさに感動した」「(Boltのドライバーが無償で助けたことが素晴らしい」「ウサギに新しい家族ができてよかった」といったコメントが相次いだ。
このウサギはたまたま緊急外来に迷い込んでしまったのだろう。だが結果的にそれは大正解で、多くの人々がウサギを救うために尽力してくれたのだ。
人間まだまだ捨てたもんじゃない。窮地に瀕している者を見ると、放っておけず手を差し伸べようとする。
人々を団結させるために必要なのは「やさしさの輪」なのかもしれない。