
アメリカ・ワシントン州で、刑務所から出所したばかりの50歳の男が、元交際相手の家に無断で侵入し、ニワトリを抱えて逃走したという奇妙なニュースが伝えられた。
女性から通報を受けた保安官は、男がニワトリを抱えながら森に逃げ込んでいたところを発見し、逮捕した。
男は素直に逮捕に応じたが、「オレのニワトリを傷つけないでくれ」と泣きながら懇願してきたという。その一部始終は保安官のボディカメラに記録されていた。
出所直後にニワトリを誘拐し逃走した男
2025年3月29日、ワシントン州キットサップ郡の田舎町で、50歳の男が元交際相手の女性宅に侵入し、ニワトリを奪って逃げるという事件が発生した。
女性はすぐに警察に通報し、キットサップ郡保安官事務所が対応にあたった。
保安官事務所によれば、男は女性の家の裏口のドアを蹴破って侵入し、ペットのニワトリ、ポリーをつかむと「ポリーだ!ポリーを手に入れたぞ!」と何度も叫びながら走り去ったという。
女性によると、男は裁判所から接近禁止命令(保護命令)を受けていたにもかかわらず、それを無視して自宅に侵入したとのことだ。
森の中に逃げ込んでいた男を発見、逮捕
その後、保安官代理たちはポート・オーチャード郊外の田舎道で男を発見。
ボディカメラの映像には、男がニワトリをしっかりと抱きかかえている様子が記録されていた。
男は保安官らに対し泣きながら「オレのニワトリを傷つけないでくれ!」と懇願する。警官たちは「ニワトリは傷つけない」と約束し、男を落ち着かせながら、ニワトリをパトカーの後部座席に置かせた。
その後男に手錠をかけると逮捕した。
出所から3時間後の犯行
キットサップ郡の拘置記録によると、この男は事件のわずか3時間前に釈放されたばかりだったという。
男には住居侵入(住宅侵入罪)と保護命令違反の容疑がかけられ、4月7日(現地時間)に同州の上級裁判所に出廷する予定だ。
有罪となれば最大で禁錮10年と約300万円の罰金が科される可能性がある。
また、保護命令違反についても、最長1年の禁錮および約75万円の罰金が課される可能性があるという。
保護命令を破ってまでなぜニワトリを?
男が入っていた刑務所はジェイル(郡立刑務所)で、刑期が1年未満と短い刑に服している人を留置する場所だ。収容者の85%は5日ほどの刑期だという。
彼がどんな罪で刑務所に入ったのかは不明だが、保護命令を破ってまでニワトリを奪いに来たのは、ニワトリに並々ならぬ愛情があったからなのだろうか?
それとも単に元交際相手に対する嫌がらせなのだろうか?
少なくともこの男は、誘拐したニワトリに対し危害を加えることなくやさしく扱っていたようだ。保安官に「傷つけないで!」と泣いて懇願してるし。
ということで、保安官事務所は引き続き事件の詳細を調査中だ。