ライオンと虎が世紀の対決!?かと思ったら仲良しちびっ子たちのじゃれあいだった

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 猛獣界の頂点に立つ、ライオンと虎がまさかの対戦を繰り広げていた?と思ったら「仲良くけんか」のじゃれあいほのぼのパターンだった。しかもちびっ子同士だ。

 自然界において、ライオンと虎が対峙することは基本的にはない。生息地が違うためお互いに出会うことがないからだ。

 だが野生動物保護施設の場合、同じ敷地内に一緒にいることもある。

 アメリカ、フロリダ州の施設で共に育てられたライオンと虎の子は、まるできょうだいのように仲が良い。常に寄り添い、時にはこうやってじゃれあいながら一緒に遊ぶという。

頂上決戦?ライオンと虎が世紀の対決、かと思いきや

 フロリダ州ネイプルズにある動物保護施設「Kowiachobee[https://kowiachobee.org/]」では、野生動物や家畜、両生類から爬虫類など130種以上の動物がいる。

 傷ついたり、育児放棄されたりと、何らかの事情があって保護された動物たちで、施設側がお世話し、また動物に対する知識を広めるための活動も行っている。

 この施設でボランティア活動を行っていたメリンダさんが12年前にYoutubeに投稿した動画が、Xに再び投稿され話題となっている。

 そこに映し出されていたのはライオンと虎。自然界における頂点捕食者が対峙していたのだ。

 とはいえ、撮影の時点で両者とも生後5か月。見ての通り、まだ小さな子供だったんだけどね。

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 実はこの2頭、生まれたときからずっと一緒に育てられ、本物のきょうだいのような関係を築いていたという。

 メルリンダさんが撮影した動画には、2頭がまるで、イエネコの「猫パンチ」のごとく、前脚でお互いの顔を軽く叩き合う姿が映っている。

 虎の子がごろんと仰向けになれば、ライオンが上に乗り、またすぐ隣に座って様子を見る。

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 じゃれあいながらも、力加減がわかっているようで、本気ではなく単純にプロレスごっこを楽しんでいるように見える。

時折、トラの赤ちゃんがしつこく手を出すと、ライオンがちょっとだけ“お返し”する場面もあり、まさに「仲良くけんか」そのものだ。

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 こうしたじゃれあいは、ネコ科動物にとって重要な社会的行動でもある。

 野生のライオンや虎の子どもたちも、群れや家族内でじゃれ合いながら信頼関係や役割意識を学ぶ。

 Kowiachobeeのような様々な動物が暮らす施設では、同種同士でなくても一緒に育てられることで、深い絆が育まれるのだ。

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自然界でライオンと虎が対決することはあったのか?

 自然界では生息域が違うことから、虎とライオンが対峙することは基本的にはない。

 ただし、古代にはユーラシア大陸のインド北部や西アジアの一部地域で、アジアライオンとベンガルトラの生息域が重なっていた可能性があるとする研究結果[https://www.researchgate.net/publication/335267380_Chronological_distribution_of_the_tiger_Panthera_tigris_and_the_Asiatic_lion_Panthera_leo_persica_in_their_common_range_in_Asia]も報告されている。

 だがその時代、ライオンと虎が直接的に争っていた痕跡は非常に少ないという。ごく稀に戦うことも皆無ではなかったが、これは例外的状況であり、通常は互いに回避行動をとった[https://wildfact.com/forum/topic-tiger-lion-coexistence-in-eurasia-between-middle-pleistocene-and-holocene-epochs?page=2]と考えられている。

 つまり、ライオンと虎の関係性は基本的には「棲み分けによる平行共存」であり、必要以上の敵対は避けられていたというのが現在の専門家の見解だ。

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