
自然界では猫と鳥は捕食する側とされる側だ。一緒に飼育することもあまり推奨はされていない。
だが中には、鳥を襲わない猫がいて、猫を全く怖れない鳥だっている。この両者がそうだ。
木の上でお昼寝をしていた茶色い猫に小鳥が近づき、くちばしで突いて猫毛をむしり取っている。
だが猫はまったく動じない。どうぞすきなだけ持っていってくださいという慈悲の心を持っていたのだ。
もしかしたら猫も毛を抜かれた時の刺激が気持ちよいのかもしれない。だとしたらこれはある種のやさしい共生関係だ。
鳥に自分の毛を引き抜かれる猫
アメリカ・ジョージア州のある家の庭で、春の太陽の暖かい光が差し込む木の枝で、茶色の猫がお昼寝をしていた。そこにやってきたのが1羽の小鳥だ。
猫の寝ている枝の真上には人間が設置した鳥用の巣がある。この鳥は、巣を快適にするため、猫の毛を敷き詰めようとしているようだ。
猫の存在を全く怖れず近づくと、猫の被毛をクチバシで引っこ抜き始めたのだ。
喜んで鳥に毛を分け与えている様子
猫は鳥に毛を抜かれても全く動じない。それどころか気持ちよさそうにしている。
投稿者によるとこの鳥はシジュウカラ属のエボシガラだという。そして茶色い猫は投稿者の飼い猫だ。
この動画は2025年4月5日、TikTokに投稿されると、たちまち話題となった。
動物の毛を利用して巣作りをする鳥
鳥は巣作りのために柔らかい素材を使う。主に葉、コケ、草を用いるが、シジュウカラやコガラなどの仲間は、動物の毛を使って巣の環境を整えることで知られている。
一般的には抜け落ちた毛や、死骸などから回収していたのだが、近年の研究で、生きた哺乳類からフレッシュな毛を引き抜くことが明らかになっている。
その理由は、巣の中をふわふわで快適にしたいというだけでなく、生きた動物から直接引き抜いた毛はしっかりとニオイがついていることから、捕食者を近寄らせない利点もあるのではと考えられている。
とは言え、猫って一応鳥にとって立派な捕食者なんだけどね。口にヒゲができるほどどがっつりと猫毛を収集できてご満悦の鳥。
では猫にとって利点はあるのか?
猫はブラッシングされたり毛づくろいをすると喜ぶ。もしかしたら猫は、鳥に毛を抜かれる刺激が気持ちよかったりしたのかな?
だとするとやさしい共生関係が成立していることになる。
この動画を投稿した翌日にも、猫は同じ場所に登り、同じように鳥に毛を引き抜かれていたそうで、追加の動画もアップされていた。
特に春先は換毛期で毛が抜けやすい時期だからね。この猫は短毛だけど、長毛種の場合は毎日ブラッシングしないと毛玉になってしまう。
その度にごっそりと毛が抜けるわけで、その毛を鳥さんたちが使ってくれたら、これほど平和な再利用法はないよね。