
何かの冗談かと思うかもしれないがガチだ。2025年4月25日、アメリカ・ロサンゼルスで、世界で初めて「精子レース」が開催される。
このユニークなイベントは、精子の運動能力を競うもので、南カリフォルニア大学(USC)とカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)が精子を提供する。
主催するのはスタートアップ企業「Sperm Racing」で、一見すると風変わりなこの企画だが、男性の生殖機能や不妊への理解と関心を高めることが狙いだ。
精子の運動能力を“競技”として可視化することで、生殖に関する問題をより身近なテーマとして捉え直すきっかけを提供しようとしている。
世界初の「精子レース」、レース会場は顕微鏡
「精子の運動能力で勝敗を決める」そんな前代未聞のイベントが、アメリカ・ロサンゼルスで現実のものとなる。
2025年4月25日、ハリウッド・パラディアムで開催される世界初の「精子レース」は、男性の生殖機能に対する理解を広げる新しい試みとして注目を集めている。
このレースでは、USCとUCLAという全米屈指の大学が精子(選手)を出し、それぞれのチームの精子が競い合う。
精子は顕微鏡の下に設けられた人工的なレーストラックを泳ぎ、どちらが先にゴールするかを競う。
このレーストラックは、人間の生殖器内の環境を模した構造になっており、化学的な信号や流体の動きなど、実際の精子が直面する条件を再現している。ゴールに最初に到達した精子が、高度な画像解析によって判定される。
レースは、顕微鏡カメラによってリアルタイムで中継され、高解像度映像を通じて観客に届けられる。
競技は3回行われ、各回の勝敗によって総合優勝が決まる。ライブ実況やランキングボード、リプレイ映像まで用意されており、まるでスポーツイベントのような演出が施される予定だ。
狙いは男性の生殖能力についての理解と関心を得るため
このユニークな試みは、単なる冗談やネットの話題づくりではない。共同創業者のエリック・チュウ氏は、公式声明の中で次のように語っている。
男性の生殖能力は静かに、確実に低下している。特に精子の運動能力は、生殖において非常に大きな役割を果たしているが、それについて話す場がほとんどない。
だから私たちは、それを“競技”として見せることで、社会の関心を高めようと考えた(エリック・チュウ氏)
つまり、測定・改善が可能な“精子の状態”を、スポーツのようにトラッキングし、前向きに取り組めるテーマとして提示するのがこのレースの狙いだ。
観客にとっては楽しみながら、生殖機能や不妊の問題を自然に意識する機会となる。
優勝賞金は1億4千万円!
今回の精子レースでは、優勝チームに賞金100万ドル(約1億4,000万円)が贈られる予定だ。
この賞金は、イベントの主催企業「Sperm Racing」が行った資金調達によって支えられている。
資金は、スタートアップ投資を手がける数社のベンチャーキャピタルが出資したもので、総額は約150万ドル(約2億1,000万円)にのぼる。このうちの一部が、今回のイベントの企画・運営費や賞金に充てられている。
投資家たちは、単なる話題性ではなく、「男性の生殖機能という社会的テーマに、エンターテインメントを通じて正面から向き合う取り組み」に期待を寄せているという。
推し精子を応援できる演出も
イベントでは、レース以外にもさまざまな演出が予定されている。
出場チームの精子紹介、レース前の記者会見、データの公開、さらには著名人が応援する仕組みも検討されているという。
参加者は自分の“推し精子”を応援することができ、まるでスポーツの世界大会のような盛り上がりが演出される。
こうしたイベントづくりの背景には、「話しづらいテーマをどうすれば自然に話せるようになるか?」という問いがある。
特に男性の生殖に関する話題は、羞恥心や無関心によって語られにくい傾向がある。
追記(2025/05/01)
ついにレース開催、優勝者が決まる!
4月25日に滞りなくレースは行われた。対戦カードは、南カリフォルニア大学のトリスタン・ミルカーさん(20才)と、カリフォルニア大学ロサンゼルス校のアッシャー・プロエガーさん(19才)の精子だ。
レースは3回行われ、総合成績でトリスタンさんの精子が優勝した。以下がレースの模様全てを収録した映像だ。
最初の余興がとても長いため、映像は6時間6分収録されているが、肝心のレースだけ見たい人は、再生後、5時間51分頃に第1レースが開始され、第3レースが終わるのがその8分後くらいだ。
両者ともかなり早いスピードで泳いでいるよ。
References: Sperm Racing[https://www.spermracing.com/manifesto]
本記事は、海外の記事を参考に、日本の読者向けに重要な情報を翻訳・再構成しています。