何それ楽しそう!好奇心旺盛なイルカの大群、電動ボードに乗る男性のまわりを一緒に泳ぐ

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 カナダ・ブリティッシュコロンビア州の海で、新たに開発した水上電動ボードの走行性を試していた男性に、うれしいサプライズが待っていた。

 ジェリー・マッカーサーさんは、自作の電動フォイルサーフィンに乗り、海上を滑走する様子を友人に撮影してもらっていた。

 すると突然、彼のまわりに100頭近いイルカの大群が集まってきたのだ!

 好奇心旺盛なイルカたちは、初めて目にする乗り物に興味津々。まるで競い合うようにジェリーさんの近くを泳ぎ回り、ボードの下をくぐり抜けながら、一緒の時間を楽しんだようだ。

海上を滑走中、思いがけない出会い

 ジェリー・マッカーサーさんが乗っていたのは、電動のフォイルサーフィンの一種で、自ら開発した「ハイドロフライヤー」だ。

 ハイドロフライヤーは、サーフボード型のボードに水中翼が取り付けられ、一定のスピードに達すると水面からふわりと浮き上がるしくみになっており、電動モーターにより、自力でスイスイ進むことができる。

 彼が開発したハイドロフライヤーは通常のものよりも安定性や操作性を重視して設計されている。ジェリーさんはこの試作品の走行テストを兼ねて、海に出た。

 すると水面がざわついていることに気が付く。

 なんとこの乗り物に興味をしめしたイルカたちが集まり始めたのだ。その数は100頭に及んだという。

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イルカを傷つけないように距離をとるも、どんどん近づいてくる

 ジェリーさんは、イルカたちにストレスを与えないように距離を取ろうと進路を変えた。

 だが、イルカたちはむしろ、面白い遊びを始めていると思い込んだようで、逆にぐいぐい近づき始めた。

 ハイドロフライヤーの上から見下ろすと、イルカたちはすぐ真下、わずか30cmほどの距離を泳いでいたという。

 しかも中には、背中を向けてジェリーさんを見上げるイルカまで!

 まるでイルカたちは「楽しそうじゃないか?一緒に遊ぼうよ」と好奇心いっぱいに問いかけているように感じたという。

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20分間のイルカとの貴重な経験

 イルカたちは約20分間、ジェリーさんの近くを離れず、一緒に海を泳いだ。

 くるくると旋回し、時にはボードをくぐり抜け、時にはジャンプして水しぶきを上げながら。

 ジェリーさんにとっても、こんなにたくさんのイルカに取り囲まれたのは初めての経験だった。

「子どもの頃、同じ海岸沿いで育ったけれど、あの頃はこんなに多くイルカたちを見た記憶はない。今ではシャチやネズミイルカなんかもよく見かけるようになった。本当にうれしいことだよ」と、彼は語る。

 自然が少しずつ回復してきている、そんな小さな希望を感じさせる出来事でもあったのだ。

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最先端の技術を詰め込んだ乗り物に乗っていたはずのジェリーさん。

だが人々の心を動かしたのは、人間が作ったものではなく、自然が見せてくれた奇跡だった。

 イルカたちは、こちらが手を伸ばさずとも、自ら寄ってきて、共に泳ぐ仲間になってくれた。

 私たちも海に出るときは、そんな小さな奇跡に出会えるかもしれない。

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