
その名の通り空を飛ぶよりも道を走るのが得意な鳥、ロードランナー(和名:オオミチバシリ)は、自分のことを助けてくれた女性のために、毎日走ってやってくる。
ヒナの時、巣から落ちていた所を女性に救助され、野生に返したのだが、それからというもの、ビニール袋だったり、昆虫だったり、枝だったり、何か贈り物をもって女性の元へと届けるのが日課となったのだ。
その仕草はとてもかわいくて、女性に贈り物を渡すとき、尻尾を左右にブンブン振って、まるで犬のように、うれしい感情を爆発させるのだ。
巣から落ちたロードランナーのヒナが女性に保護される
アメリカ、テキサス州で野生動物の保護とリハビリ活動を行っているヘザーさんは、巣から落ちて弱っていた一羽の幼いロードランナーを発見した。
彼女は様々な動物たちを救ってきたが、ロードランナーは初めてだったという。必死の看病によって命を救い、その後、十分に回復した鳥は無事に野生へと帰っていった、はずだった…。
翌朝ヘザーさんは家の前にとめた車を見て驚いた。
そこにちょこんと座っていたのは、野生に返したはずのロードランナーである。
毎日贈り物を持って家に戻ってくるように
もう自分で餌もとれるし、自由に自然の中で暮らせるにもかかわらず、毎日ヘザーさんの家に戻ってくる。
贈り物をくちばしにくわえ「これをプレゼントしにきたよ」とばかりに、ヘザーさんに渡しに来るのだ。
尻尾をパタパタと降りながら贈り物を届ける様子はまるで犬のよう。ヘザーさんはこのロードランナーにチャッピーと名付けた。
チャッピーは玄関の前でヘザーさんが出てくるのを待つこともあれば、直接ヘザーさんの頭の上に飛んできて、贈り物を届けることもある。
それは自分が大好物の虫だったり、木の枝だったり、ビニール袋だったり、小動物だったり、牛のフンだったりと、時にびっくりするものもあるが、欠かさず届けに来るチャッピーの気持ちがうれしくて、ヘザーさんはこころよくそれらの珍プレゼントを受け取る。
ヒナの時に助けられたチャッピーにとって、ヘザーさんは親のような存在なのかもしれない。
そしてヘザーさんもそんなチャッピーのことが大好きで、毎日やってくるのを楽しみに待っている。
ロードランナー(オオミチバシリ)とは?
ロードランナー(和名:オオミチバシリ)はカッコウの仲間で、アメリカ南西部からメキシコの乾燥地帯にかけて生息している。
体長:約50~60cmで、オスとメスは全く同じ姿をしている。飛ぶよりも走るのが得意で地上で生活をしている。時速30km以上で走る俊足の鳥だ。
現地ネイティブアメリカンの間では、幸運の象徴として扱われることもある。ワーナー・ブラザーズのアニメ「ワイリー・コヨーテとロード・ランナー」で一躍有名になった。
刷り込み効果もあるのかもしれないが、ロードランナーがこんなにも人に懐いている姿は本当にびっくりだ。
チャッピーがヘザーさんの家にいろんなものを届けにやってくる様子は、ヘザーさんのTikTokアカウント@heathafed[https://www.tiktok.com/@heathafed]で見ることができる。