
南米コロンビアの都市ブガの上空で謎の金属球体が目撃された。のちに地上で回収され、現在科学者たちが正体の解明に取り組んでいる。
表面には正体不明なシンボルが刻まれており、接合部が存在しないというまさに謎の物体だ。
一部では地球外起源の可能性も指摘されているが、異論もある。果たしてこの球体はUFOなのか、それとも別の何かなのか?その調査に迫ってみよう。
南米の上空を飛行していた金属の球体
2025年3月2日、南米コロンビアのバジェ・デル・カウカ県にある都市ブガの上空で、金属製の球体が飛行しているのが目撃された。
その後、この物体は地元で回収され、科学者たちによって調査が開始された。
この球体の調査映像はインターネット上で公開され、多くの関心を集めている。
接合部なし、内部に微小球体―研究チームの初期分析
研究にあたっているホセ・ルイス・ベラスケス氏によると、この金属球体には溶接跡や接合部が一切見られず、通常の人工物にある構造的特徴が存在しないという。
さらにX線検査によって、球体の内部には3層の金属構造と9個の「マイクロスフィア(microspheres)」と呼ばれる微小な球体が含まれていることが判明した。
マイクロスフィアとは、直径数μm(マイクロメートル)程度の中空または固体の小球で、一般には医療・材料工学などで使用されるが、今回のような物体に含まれる例は珍しい。
ベラスケス氏は「これは非常に珍しい物体であり、私自身このようなものは見たことがない」と述べている。
また、球体の外側には由来不明の謎のシンボルマークが刻まれているといい、これも謎を深めている。
そのため、地球外由来説が浮上している。
アート作品の可能性も、別の専門家の見解
一方で、この物体の正体が地球外由来である可能性があるとの見解に懐疑的な声も上がっている。
サンディエゴ大学の物理・生物物理学部のジュリア・モスブリッジ博士は、米メディア『FOXニュース』の取材に対し「私にはこれは非常によくできたアート作品のように見える。すぐに結論を出すことには注意が必要だと訴えた。」と語っている。
さらにモスブリッジ博士は、「UFOや地球外由来の物体だと判断する前に、ハーバード大学の天体物理学者アヴィ・ローブ(Avi Loeb)氏が主導する『ガリレオ・プロジェクト』のような科学的な検証を行う団体に持ち込むべきだ」と提言している。
ガリレオ・プロジェクトは、地球外知的生命体が作った可能性のある物体を科学的手法で調査する国際的な研究プロジェクトである。
謎の物体が映す「人類の状態」
モスブリッジ博士は、こうした謎の物体の発見は、宇宙に関する新たな事実を示すというより、人類がいま感じている「物事を思い通りにできない不安」を映し出している可能性があると指摘している。
「私たちは、以前ほど自分たちが世界をコントロールできていないことに気づき始めている。もしこの球体がアーティストの作品だとすれば、それもまた、私たちの“未知への戸惑い”や“理解できないものへの不安”を表現したものかもしれない」と述べた。
さらに博士は、「未知に対して恐れるのではなく、それが何なのかを理解しようとする姿勢が大切だ」と強調し、「自分の枠を越えて、もっと大きな視点で物事を見ようとする“自己超越”の考え方が必要だ」と語っている。
モスブリッジ博士は、ガリレオ・プロジェクトや未確認航空現象科学連合(Scientific Coalition for UAP Studies=SCU)のような、政府から独立した科学団体が今後の調査に重要な役割を果たすだろうと強調する。
「国境を超えて発見されるこうした物体について、国際的な協力体制のもとで調査・対応するルールづくりが求められている」と指摘した。
果たしてこの物体は何なのか?続報が入り次第お知らせしたい。
References: Scientists discover mysterious sphere in Colombia, sparking UFO speculation[https://www.foxnews.com/us/scientists-discover-mysterious-sphere-colombia-sparking-ufo-speculation] / Scientists discover mysterious sphere in Colombia, sparking UFO speculation[https://nypost.com/2025/05/25/science/scientists-discover-mysterious-sphere-in-colombia-sparking-ufo-speculation/]
本記事は、海外の情報をもとに、日本の読者がより理解しやすいように情報を整理し、再構成しています。