
中央アメリカの国、コスタリカの刑務所で、体に麻薬を巻きつけられた猫が施設内に侵入しているところを発見され、当局に保護された。
警備員が金網のフェンスを登っている猫を発見し、不審に思い猫を捕獲。
当局は猫の行動経路や背後関係の特定を進めている。猫はその後健康状態が確認され、現在は安全な施設で保護されている。
フェンスを乗り越え、刑務所に侵入しようとした猫を捕獲
2025年5月13日夜、コスタリカ北部リモン州にあるポコシ刑務所で、警備員が有刺鉄線付きの金網フェンスをよじ登る猫を発見し、捕獲した。
コスタリカ司法省が公式SNSに投稿した映像には、猫がフェンスを登っている様子が映っていた。
猫の腹部には麻薬が巻き付けられていた
司法省によると、猫の腹部には、約236gのマリファナと約68gのヘロインが含まれる2つのパッケージが、ラップのようなもので巻き付けられ、その上にタオルが巻かれていた。
左右に重量が分散されるよう設計されており、猫の身体に密着する形で固定されていたようだ。
これらの薬物は、受刑者に届ける目的で猫に取り付けられていたと見られている。
迅速な対応で密輸を阻止
「監視塔にいた職員が、フェンスの上を移動している動物に気づき、すぐに警報を発しました」と司法省は声明で述べた。
その後、対応にあたった職員が猫を確保し、猫を傷つけないよう背中のパッケージを丁寧に取り除き、麻薬が刑務所内に持ち込まれるのを未然に防いだ。
投稿された映像では、職員が猫の体に固定された荷物をハサミで慎重に切り離す様子も確認できる。
猫は保護され、薬物は押収
押収されたのは、マリファナとヘロインがそれぞれ入った2つのパッケージだ。
猫はコスタリカ国家動物衛生サービスに引き渡され、健康状態がチェックされた。異常が見られなかったことから、その後安全な施設で保護されている。
現在、当局は監視カメラの映像を分析中で、猫が捕まるまでの移動経路を調べ、誰がこの密輸に関与していたのかを調べている。
また、薬物の送り主と受取人を特定するため、関係者への聞き取り調査も行っている。
コスタリカでは以前も刑務所内に携帯電話を届けるために、猫の運び屋が利用されたことがある。
身軽で身を隠すのが上手な猫を訓練して利用しようとする事例はもっとあるのかもしれないが、うまいことやり遂げてバレてないケースも多そうだ。