
世の中にはさまざまなペットがいるが、なかなか周囲に理解されにくいのが、爬虫類や両生類、クモなんかをペットにするケースだろう。
好きな人にとってはたまらなく魅力あふれる生き物なのだが、そうでない人にとってはちょっと怖く感じてしまうのかもしれない。
巨大なミズオオトカゲをペットにしている男性が、自分のおじさんの肩によじ登り、嬉しそうにしている様子をSNSに投稿して話題になっている。
キャプションには「彼はおじさんが大好きです」と書かれており、まるで本当に愛情をもって接しているように見えるんだ。
爬虫類好きが高じてミズオオトカゲをゲット
熱烈な爬虫類愛好家ウォルター・ハンセンさん(36)は、デュオ・マックスウェルという名前のミズオオトカゲを飼っている。
僕は子供の頃から爬虫類、特にオオトカゲに魅了されてきました。ミズオオトカゲの飼育は生活スタイルを変えるほど大変で、決して安くは済みません。
時間と場所、そして資金面の準備が調った時、何世代にもわたって飼育・繁殖させてきた個体を扱う地元のブリーダーを見つけました。それからはもう、言わずもがなです
赤ちゃんの時にウォルターさんのもとへ来たデュオは、現在3歳だという。ミズオオトカゲは育つと全長が2.5mにも達する巨大なトカゲであり、デュオはまだまだ育ち盛りといったところだ。
小さい時から世話をしてもらっているウォルターさんのことは、飼い主としてある程度認識しているらしい。
僕は彼がまだとても小さい頃から、毎日触れ合ってきました。デュオは僕のニオイや声、そして見た目はちゃんと知っています。
彼は僕には慣れていて落ち着いていますが、決して「抱っこ」が好きなタイプではないですね
おじさんとのスキンシップをとらえた動画が大バズリ
最近、ウォルターさんは自身のTikTokに、自分のおじさんがデュオに懐かれている様子を写した動画を投稿した。
この動画はなんと130万回もの再生数を叩き出し、まるでおじさんに甘えているような人懐っこいデュオの様子に、多くのコメントが寄せられている。
- これなんてわんこ?
- オオトカゲって猫っぽくない?
- 肌が乾いた犬って感じ。
正直、オオトカゲって犬くらい賢いと思うんだ- どうなんだろう、これ…。好きになりたい気もするけど、いや、やっぱり無理かも。可愛い…いや、そうなのかな
- オオトカゲって、あんなに大きくなるんだね。一瞬、若いコモドドラゴンかと思ってびっくりしちゃった
- 真っ黒なオオトカゲって初めて見た。めちゃくちゃカッコいいじゃん!
- めっちゃ可愛い!
- 誰が何と言おうと、爬虫類は愛情を感じるんだよ
- 爬虫類の種類によるよ。対多数のトカゲやヘビには、哺乳類みたいな社会的な神経構造は備わっていないんだ
- この世界には、まだわからないことがたくさんある。自分がその生き物になったわけじゃないのに、決めつけるのは無理があるよ。彼らが言葉をしゃべるわけじゃないし、結局は憶測にすぎないんだ。しかもたいていは的外れ
- だね。でも僕らは彼らの脳を哺乳類の視点で見ちゃってるからね。彼らも愛情を感じているのかもしれないよ。ただ、全く違うプロセスで
- トカゲはすごくいいペットになるよ。
手間のかかる生き物だってことを理解して、あまり期待し過ぎなければ。僕は彼らが大好きなんだ- もしかしてガンダムWのファンだったりする?
- うん。デュオ・マックスウェルという名前は、ガンダムWのキャラからからとったんだ(ウォルターさんコメ)
ガンダムWとか久しぶりに聞いたけど、デュオ・マックスウェルは「黒衣の死神」と呼ばれているキャラで、黒いトカゲにピッタリだと思ったんだそうだ。
2mにもなる巨大なミズオオトカゲ
ミズオオトカゲは東南アジアに生息しているオオトカゲの仲間で、その名の通り水に入るのが大好きで、泳ぎも潜水も得意である。
知能が高く、嗅覚が非常に優れていることから、隠した餌なども難なく見つけてしまう。食べ物のニオイはチロチロと出し入れするフォーク状の舌で感知し、普段の動きからは想像もできないような素早い動きで仕留めに来る。
基本的に肉食で、小動物から魚、鳥、カメやヘビなどの爬虫類、昆虫や貝など何でも食べる。
デュオの食事は基本的に週一回で、鶏の足やウズラ、魚の肉、イカやタコなども喜んで食べているそうだ。
野生では熱帯雨林のマングローブ林などに生息しているため、飼育するには高温・高湿度で紫外線をたっぷり浴びれる環境を用意しなければならない。
木登りも得意なので、高さのあるケージにジャングルを再現した環境を作ってあげたいところ。もちろん、水辺や隠れ場所も必要だ。
人間の身長を軽く超えるほど大きくなる生き物なので、一部屋分のスペースがないと飼育は難しい。ちなみにデュオは現在、体長が180cmほどあるそうだ。
ウォルターさんはそんなデュオのために、温度・湿度の調節可能な特製の部屋をDIYで作り上げた。
広さはだいたい3.6m×2.5m×2.5m。室内には1tもの水が入るプールがあって、毎日快適に過ごせるようになっているという。
こんなに居心地のいい自室はあるが、デュオは家の中を自由に歩き回っている。時にはハーネスをつけて、ウォルターさんと外の散歩に行くことも。
また、ウォルターさんの飼い猫たちとも良い関係を築いていて、お互いに干渉せず仲良くやっているんだそうだ。
飼育するには覚悟が必要
爬虫類は人には馴れない、慣れるだけだとよく言われるが、トカゲわんこ説を唱える人も多いし、トカゲを飼っている人の中には「懐くんだ!」と主張する人も少なくない。
ウォルターさんもデュオのことを「うちのわんこ」とよく呼んでいるし、時には「うちの茶トラ」と猫扱いすることもあるみたいだ。黒いけど。
お散歩中に「モフれや」とおねだりするデュオ。うちのトカゲもあごの下とか鼻先とか撫でてやるととうっとろりんだったな。
こんな風にウォルターさんとの生活を満喫しているデュオくんだが、最近は好奇心が旺盛になり、ウォルターさん以外の人にも這い寄っていくことが増えたという。
特に今回話題になっているおじさんは、デュオがまだ小さいうちからよく遊びに来ていたので、警戒することもなくその身体によじ登り、肩に巻き付いたりしているらしい。
爬虫類好きにとってはなかなかうらやまけしからん映像だったわけだが、「毒があるのでは?」と心配する声も寄せられたという。
彼らの唾液には抗凝固物質などが含まれていますが、人間に害を与えるほどの毒があるとは思えません。
鋭い歯と強いあごを持っているので、噛まれたら大変ですが、デュオは一度も人を噛んだことはないんです。彼は何が食べ物で何がそうでないかをちゃんと知っているんですよ
こんな魅力的なミズオオトカゲ、日本でもペットとして売られていることがある。ショップにいるのはたいていベビーサイズなので「可愛い!」と衝動的にお迎えしたい気持ちになってしまいがちだ。
だがウォルターさんの飼育環境を見てもわかる通り、並大抵の覚悟ではオオトカゲの飼育は難しい。電気代も水道代も高額になるし、食費だって馬鹿にならない。
そして何より、2m超えの巨体が自由に動けるだけの広い空間(プール付き)を確保しなければならないのだ。
おっきなトカゲを首に巻きたい!という願望を持っている人もいるかもしれないが、とりあえずウォルターさんのTikTok[https://www.tiktok.com/@lookatmylizard]やInstagram[https://www.instagram.com/lookatmylizards/]に遊びに行って満足しておくのが吉かもしれないな。