
なぜかあの工場に近づけない。こっちは車で向かってるのに逃げられているような奇妙な現象。
五大湖の一つ、エリー湖に面した都市ポートコルボーンには「縮む穀物工場」という呼び名で有名な貯蔵施設がある。
その由来は、ある湖岸の道を車で行くと、近づいているはずなのに、工場がなぜか小さく縮むように見える区間があるからだ。
脳の勘違いとわかっていても、あえて騙されて楽しむ人が続出中の面白錯視を見てみよう。
工場が縮む?カナダで人気の錯視スポット
巨大なエリー湖に面したオンタリオ州ポートコルボーンの町を目指し、湖岸沿いにあるレイクショア・ロードを東に向かって車を走らせていると…
前方遠くに、四角くて灰色の建物が見える。これがうわさの「縮む工場」、穀物倉庫の製粉工場だ。
最初のうちは、あと少しまっすぐ行けば工場に到着しそうな眺め。
ところがけっこう進んでも工場は依然として小さいまま。なかなか近づけない。
そうこうするうち、工場が低く縮んできたような?直線だと思ってた道も左に大きくカーブ。一体どういうこと?
まっすぐ行けば着くと思っていた工場。でも実際は湾の向こうにあった。
グーグルマップだとこう。
エリー湖沿いの道路レイクショア・ロード・ウエスト(青いルート)で西から工場に向かっていくと、グレーブリー湾を挟んで工場が見える区間がある。そこが錯視スポットというわけだ。
「月も同じ」「街路樹のせい」驚きの反応や解説も
この錯視スポットは、カナダで有名どころらしく、2023年1月に投稿された動画は、17万回も視聴されている。
視聴ユーザーからは、驚きや解説など色々なコメントが集まった。
- 月の見え方もそう。角度によって大きく見えたりして違って見える。わかってても不思議だよね。
- 両サイドの街路樹のせいで工場が小さく見えるんだよ。脳は基本、木は動かないと思いこんでる。でも車が進むにつれ、木が大きく見えてくるせいで(相対的に)工場が小さく見える。
それから道路の傾斜も関係してる。水平方向だけでなく垂直方向にも下がって小さく縮んで見える錯覚を助長してるんだ。
木を指とかで隠して動画を見直してみれば、工場の大きさが変わってないのが良くわかるよ
- おお!確かに!すごい
- 自分にはそもそも1ミリも近づいてないように見えるがな
- 楽しかったよ。解説ありがとう
- ほんとだ。工場は縮んでなかったんだ!
- つい楽しくてもう5分も繰り返し観てる
- こりゃ面白い
- 木々のトンネルを見下ろしながら運転してるから。そのトンネルを抜けるにつれて左側の空が広がって、相対的に工場が急に小さく見えるようになるんだよ
地平線の有無に関係という解説も
この現象について、アメリカのオンラインマガジンのアトラス・オブスキュラは「地平線が見えるかどうか」に大きく関係している、としている。
初めのうち工場は見えても地平線が見えないため、実際よりもはるかに大きく見える。
ところが車を走るうちに湾が見え始め、周囲の地平線がさらに広がったことで、工場が小さくなったように感じられるとのこと。
なお「縮む工場」」の正式名は、アーチャーズ・ダニエル・ミッドランド穀物工場(Archers Daniel Midland grain mill:ADM Milling )。
場所は、1 King St, Port Colborne, ON L3K 4E6 カナダにある。
ちなみにこの錯視が楽しめるのはレイクショア・ロード・ウエスト上、座標42.87876, -79.29824(42°52’43.5″N 79°17’53.7″W)あたりから。
「縮む工場」の動画は2021年にも投稿されて話題に。こっちのほうがより縮んで見える気がするけどみんなはどうだろう?
というか実際に運転してる人のほうがもっと縮んで見えてそう。カナダを車で観光する予定がある人は、ぜひ見て来てほしいな。
References: Boingboing[https://boingboing.net/2025/06/17/this-massive-grain-elevator-appears-to-shrink-as-you-drive-closer.html]
本記事は、海外の記事を基に、日本の読者向けに独自の視点で情報を再整理・編集しています。