クマ出没の通報にかけつけると、コヨーテと一緒でびっくりした保安官
@Altadena Sheriff’s Station

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 アメリカ、カリフォルニア州で保安官事務所に通報が入った。家の付近で大きなクマを目撃したので移動させるよう助けを求めたのだ。

 この地域ではクマが出没することがあり、こういった通報はよくうけるというが、現場に到着した保安官代理は興味深い光景を目にした。

 なんとクマと寄り添うようにコヨーテが一緒にいたのである。

クマと一緒にコヨーテが寄り添っていた

 カリフォルニア州アルタデナ保安官署に「住宅街に大きなクマが現れた」との通報が入った。クマ出没の通報はよくあることだ。

 現場を指揮するデビッド・サラザール氏によれば、「こうした通報に対する私たちの任務は、人命に差し迫った危険があるかどうか、クマに怪我がないかどうかを確認すること」だという。

 ところが今回はいつもとちょっと違っていた。保安官代理たちが現場に駆けつけたところ、そこで目にしたのは、大きなクマだけではなかった。そばに寄り添うように一緒にコヨーテがいたのだ。

 茂みの中から現れた大きな茶色いクマはアメリカグマだ。そしてその横にぴったりと寄り添うように一緒に出てきたのはコヨーテ。

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 あまりにもコヨーテが近づきすぎて、一瞬クマが「あんまり近づくな」と追い払おうとする姿も見られたが、コヨーテは少し離れたものの、またクマの近くに寄り添った。

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クマとコヨーテの関係

 カリフォルニア州魚類野生生物局のスティーブ・ゴンザレス氏によれば、コヨーテがクマの後をついていくのは珍しいことではないという。

 クマが餌を探す際にかき分けた草木や地面から現れる食べ物の残りを食べるためだ。

 さらに、この地域では昨年の大規模な山火事によって野生動物の生息地が失われ、餌も少なくなったことで、多くの動物たちが新たな生存戦略を余儀なくされている。クマとコヨーテの行動も、その一例といえるだろう。

 「アルタデナの野生は毎回私たちを驚かせてくれる。こうして野生動物が元気な姿を見せてくれるのはうれしいことだ」と保安官署はコメントしている。過酷な環境の中でも野生動物たちは力強く生き抜いている。

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 カリフォルニア州では「野生動物との共存」が州全体の基本方針となっている。

 州法や郡、市の条例、そしてカリフォルニア州魚類野生生物局のガイドラインに基づき、野生動物が人に危害を加えない限り、できるだけ保護し元の生息地に戻すことが優先されている。

 今回のように住宅街にクマが現れた場合も、まずは人命の安全を確保した上で、クマを無用に傷つけることなく追い払うか、生息地に戻すことが保安官や野生生物保護当局の使命となっている。

 今回も、保安官らはまず人の安全を確認。クマとコヨーテが穏やかであったことから、必要以上に追い詰めず、クマたちが自主的に移動するか、穏やかにその場から立ち去らせるような対応を取ったと考えられる。

 こうした方針の背景には、開発や山火事などによる生息地の縮小にともない、野生動物と人間の生活圏が重なる機会が増えている現状がある。

 州当局は、野生動物に餌を与えない、ゴミを適切に管理するなど、市民にも共存への協力を呼びかけている。

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