最低でも180歳まで生きると公言するバイオハッカー(アメリカ)


 アメリカの実業家、デイブ・アスプリー氏はあのバターコーヒーの考案者だ。シリコンバレー健康研究所の理事長でありバレットプルーフ・コーヒーをはじめとする「バレットプルーフ(防弾の意)」というブランドの仕掛け人でもある。


 そして、世界で一番大胆なバイオハッカーとしても知られている。

 自分の健康のために、つねに食事や運動に工夫を凝らし、ありとあらゆる新しい技術を自分自身で試している。

 彼は最低180歳以上まで生きると公言している。

【90年代のダイエットがきっかけ】

 現在45歳のアスプリー氏の長生きへの追求は、1990年代から始まった。

 当時の彼はシリコンバレーで事業を行なっていたが、肥満気味だったそうだ。

 そこでカロリー摂取を控え、90分の運動を行うという、よくあるダイエットを試みた。ところが、確かに以前よりは健康で体力もついたのだが、体重は変わらなかったのである。

 彼は、こっそりお菓子でも食べているのだろうと疑う医師の言うことを聞くのを止め、独自の実験を開始するようになる――こうして、彼のバイオハック人生は幕を開けた。

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Biohacker Dave Asprey Plans To 'Live To 180'

【スマートドラッグから脳波キャップまで】

 まず試してみたのは、ボディビルディングの雑誌で読んだ炭水化物抜きダイエットだ。

 これによって22キロの減量に成功し、ダイエットをするなら運動よりも食事に気をつけた方が効果的だということを知った。

 今度はヨーロッパから13万円相当の”スマートドラッグ”を輸入してみると、これがびっくりするくらい効いた。

 この経験の後、アスプリー氏は、暇さえあればこうした奇跡の物質についての文献を読み漁り、それが人体に与える影響について研究するようになる。


 彼は、これまでの健康やライフスタイルを最適化する追求の中で、数百とは言わないまでも、数十の変わり種ダイエットやガジェットを試してきた。

 わざわざチベットにまで渡り僧から瞑想法を伝授してもらったり、モダフィニル(睡眠障害の治療薬)やテストステロンがたっぷり入ったサプリメントを飲んでみたり、脳波キャップで脳が過度に反応しすぎないよう鍛えてみたりした。

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【世界で最も大掛かりな幹細胞療法】

 こうした実験は、経験を積み、技術が進歩するごとに、ますます大胆になっていった。

 最近行われた「Men’s Health」という番組でのインタビューで、アスプリー氏は、お尻から骨髄0.5リットルを抽出し、そこに幹細胞を混ぜて、関節・脊髄・脳脊髄液に再度注入するという手術を受けたことを明かした。

 さらに美容のために、幹細胞を頭皮や顔にも注入してみた。

 彼はこうした施術について、「個人に1度に行われたものとしては、最も大掛かりな幹細胞治療」と話す。だがその効果は今のところはっきりしていない。

【治験の完了を待つ時間はない】

 アスプリー氏が従来の医療をもはや気にもとめていないことや、最新医療の治験が完了して、当局の認可が下りるまで待つ気もないことは、これまで説明したとおりだ。

 180歳まで生きようという彼にとって、時間は金である。ゆえに、時間のかかる治験など一気に飛ばして、自らを実験台にあらゆる手法を試しているのだ。

 その野心的な目標を達成するために、アスプリー氏は毎日100個ほどのサプリメントを飲み、半年ごとに幹細胞を注射し、選り抜かれた食事のみを口にし、高圧酸素チャンバーに入る。

 赤外線が照射されるベッドで眠り、エベレスト頂上まで登って海面レベルまで戻る効果を数分で再現するアトモスフェリック・セル・トレーナーを使い、ついでに”悪い光”を取り除くと謳われる黄色いレンズのメガネを着用する。


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【バイオハッキングへの批判の声も】

 アスプリー氏は、バイオハック式ライフスタイルの伝道者として支持を集める一方で、彼が投資する商品を批判する人たちもいる。

 アスプリー氏がいくつかの会社を経営しており、バレットプルーフ・コーヒーはもちろん様々な健康食品やグッズを販売していることも事実だ。

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How to Make BulletproofR Coffee w/ Dave Asprey

 だが、少なくとも彼は自身が説くとおりの暮らしをしており、彼が販売する製品は彼自身が使用しているもので、各種の奇抜な実験は文字どおり彼自身の命をかけて実践している。

 あるときなどは、体の抵抗力を強化するために氷入りのパックに囲まれながら眠り、目が覚めたら体の15パーセントに軽い火傷を負ってしまった。

 またあるときは、学習力を向上させられないかと赤外線を自分に照射してみた結果、数時間声が枯れてしまったこともある。

【ようやく目標の4分の1。先はまだまだ長い】

 デイブ・アスプリー氏は、180歳という一般的な平均寿命の2倍以上の人生を生きようという話は、冗談などではないと主張する。

 なにしろ、そのために1億円以上ものお金を費やしているのだ。それでも、目標の年齢までまだまだ先は長い。 

私は今、最低目標(180歳)の4分の1のところにいます。だから私は青年であるわけですね。長生きは超人的なものかですって? そうですよ。
まあ、その挑戦のせいで死んでしまうかもしれませんがね


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References:Biohacker Dave Asprey Plans To 'Live To 180' / facebook/ written by hiroching / edited by parumo

記事全文はこちら:最低でも180歳まで生きると公言するバイオハッカー(アメリカ) http://karapaia.com/archives/52270674.html
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