
お届け先への最終区間、”ラストワンマイル[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AF%E3%83%B3%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%83%AB_(%E9%81%8B%E8%BC%B8)]”がハイテク化。これからは「アマゾンデス!」で玄関開けたらロボットかもよ。
ぶっちぎりで効率的な未来物流へと加速する米Amazon。その新プロジェクトが話題だ。なんとヒューマノイドロボットの配達実証実験を始めたという。
すでに候補として、人型ロボット「Unitree(ユニツリー)」や Agility Robotics(アジリティ・ロボティクス)社の「Digit(ディジット)」などが、Amazonオフィスの”ヒューマノイドパーク”にて適性試験を受けてるもよう。
実現すれば、EC業界をゆるがす大改革。人間に代わりロボットが配達用電気自動車(EV)から降り立って、玄関先まで荷物を届けるという壮大なプロジェクトに現地メディアも大注目だ。
Amazonが人型ロボットの適性試験を実施中
およそ3兆円規模のテック企業Amazonは、将来顧客の玄関先まで荷物を配達する人型ロボットを計画している。
その実現に向け、配達員の見込みがあるヒューマノイド用のソフトウェアの開発にも着手。今年できたばかりの”エージェンティック AIチーム”がその仕事を担っているそう。
並行して、2025年6月には自社オフィス内に、現実の障害物を想定したテストコース、”ヒューマノイドパーク”を用意。コーヒーショップほどの空間に、狭い通路や階段、さらには実際に開閉するドアまで忠実に再現してあるという。
そこではユニツリーの最新機種 や、すでに倉庫で働いており実績のあるディジットといった数種の人型ロボットたちが、ちゃんと歩いたり走れるかどうかといった徹底評価を受けてるそう。まさに配達員の適性試験だ。
全米でEV2万台以上を保有するAmazon
ロボットが荷物を運んだり、倉庫で働く光景などは過去にもあったが、それが現実にAmazonで実施されるとなれば話は別だ。
人間の配達員さながらに、ごくごく一般のご家庭に荷物を届ける人型ロボットの絵面って、あらためて想像するとやたらに未来じゃなかろうか。
なおメディアによると、その配達プロジェクトでは、Amazonの出資を受けて米リヴィアン社が量産した、Amazon用のEVバンが活躍する。
実はAmazonは、米国内に同社製のEVを2万台以上保有しており、そのうち1台をこの実験ゾーンに配備している。そのEVは10年後に10万台まで増えるとも予想されている。
AIチームが描く“配達ロボットの脳”
とはいえ、当然ながらロボット本体と車だけでは配達作業は完結しない。エージェンティック AIチームは現在、肝心の配達ロボットの”脳”の開発に取り組んでいる。
自然言語理解によるドライバー指示解釈や、コンピュータビジョンによる荷物認識・配置計画、動作シーケンスのリアルタイム最適化などを統合するソフトウェアの基盤を構築中だ。
これにより、配送ルートを自動で再計算しつつ、障害物回避や階段昇降といった複雑な動作も“脳”一つでこなせるようになるという。
期待される効果と向き合う課題
この実証実験が成功すれば、ドライバーの身体的負担の大幅軽減や、ピークタイムにおける配達件数の底上げ、人件費と環境負荷の同時削減、といった効果が期待できる。
一方で、住宅地ごとに異なる玄関付近のレイアウトや、ペット・子どもの飛び出しといった「予測不能ゾーン」にはまだ課題が残るという。
実際、英エジンバラ大学でロボット学習と自律性の研究者であるラマムーシー教授は「最終ステップでは最も複雑な環境対応力が問われる」と指摘する。
次のステップは屋外、次は都市部で実証
Amazonはまず、標準化されたモデル住宅で実証を重ね、2025年後半にはサンフランシスコの都市部の各家庭への配達など実験範囲を拡大する計画を立てている。
最終的には、人間ドライバーと人型ロボットの両方が協働する“ハイブリッド配達”を想定しているそう。
AIによるリアルタイムの最適化と組み合わせ、これまでにないレベルの柔軟性と効率性を実現しようとしている。
従来にない配達体験が目前に
このままいけば、Amazonではロボットが働く倉庫から出荷された荷物が、専用EVバンで運ばれ、同乗してきた人型ロボットが顧客までの“ラストワンマイル”を担う。そんな未来がいずれやってきそう。
一方ネット上ではこの話題に乗っかって、さっそくこんな動画を作ったユーザーもいたりする。
にしても、もはやそういう計画が絵空事やフィクションとしてではなく、わりとリアルに受け止められる時代の流れに今さらながら驚くわ。
個人的にはきちんと届けてくれさえすれば人型にもこだわらないけど、誤作動とかがちょっと心配。上にあるように大人以外の子どもやペットへの対応も気になる。
どちらかといえば、近ごろ見るのが楽しみな猫型配膳ロボットが「荷物だニャー!」って来てくれるならうれしいな。降車と段差がクリアできたら、日本でもわりと喜ばれそうな気もするけどどうだろう?
References: Mashable / Theguardian / Theinformation
本記事は、海外の情報をもとに、日本の読者向けにわかりやすく再構成し、独自の視点で編集したものです。