馬・猫・ネズミ・ニワトリなど、あまり知られていないがわりと該当する人がいる11の動物恐怖症(※昆虫出演中)


 誰でも1つくらいは苦手なものはある。ゾッとする程度ならともかく、それが日常生活に支障をきたすほど、恐怖心や不安感が増大し、めまい、吐き気、パニック発作をもよおすほどだとただの「苦手」ではなくて「恐怖症」となる。


 恐怖症には様々な種類があり、子供の頃のトラウマ体験や偶発的な出来事によって発症すると言われているが、動物恐怖症もその1つだ。

 対象となる動物もいろいろある。最も多いとされているのが蜘蛛(クモ)恐怖症や蛇(ヘビ)恐怖症だが、他にも様々な動物が恐怖の対象となっているようだ。

【1. チョウ目恐怖症(レピドプテロ・フォビア:LEPIDOPTEROPHOBIA)】

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 オーストラリアの女優ニコール・キッドマンは、クモもヘビもへっちゃらだが、チョウだけは苦手だという。

 なんでも子供の頃、近くに止まっていたチョウから逃れるために、フェンスをよじ登ったことすらあるそうだ。

 「飛行機から飛び降りるし、ゴキブリまみれも平気。なんでもやるけど、チョウの体の感触だけはダメね」と話す彼女は、かつて博物館のチョウのブースで過ごし、苦手を克服しようとしたが無理だったそうだ。

 こうした人たちは、夏の間、チョウの侵入を恐れて、窓を開けておくことも嫌がることだろう。

【2. 両生類恐怖症(バトラコ・フォビア:BATRACHOPHOBIA)】

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 カエルに触れてイボができるなんて都市伝説――なのだが、両生類恐怖症の原因には、こうしたものもあるのかもしれない。またネバっとしたものに対する嫌悪感が関係している可能性もある。

 ところで、とりわけカエルがダメだというのならば、それはヒキガエル恐怖症という症状かもしれない。

【3. 昆虫恐怖症(エントモ・フォビア:ENTOMOPHOBIA)】

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 先ほど紹介したチョウ目恐怖症もこのグループに属す恐怖症だが、他にも木を食らうシロアリに対する恐怖であるシロアリ恐怖症、普通のアリに抱くアリ恐怖症、ハチに抱くハチ恐怖症なんてものもある。


 もちろん忘れてはいけないのがゴキブリ恐怖症で、自然科学が専門のジェフ・ロックウッドは「進化で獲得された油っぽく臭い、ネバネバしたものへの忌避感は、ゴキブリにまさに当てはまる」と述べている。

 ちなみにシュルレアリズム絵画で有名な画家サルバドール・ダリは、バッタがとにかく苦手だったそうだ。

 「今37歳だが、バッタが引き起こす恐怖は、子供の頃からちっとも薄れていない……むしろ強まったとすら言えるかもしれない」とダリは記している。

 もし断崖絶壁の縁に立っているときにバッタが体に止まったら、本能的に飛び降りてしまうかもしれないとすら述べている。

【4. 鳥恐怖症(オーニソ・フォビア:ORNITHOPHOBIA)】

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 幼い頃にガチョウに突き回されたなど、鳥でトラウマを受けるような体験をすると、小さく可愛らしい動物すら恐れるようになる。

 アメリカのコメディアン、ルシル・ボールは、鳥を見ると、父親の突然の死を思い出すと話している。母親に父の死を告げられたとき、キッチンの窓枠にスズメが集まってきたのだそうだ。

 「それ以来、鳥については迷信深くなってしまって、怖いわけではないのだけれど、その光景が頭にこびりついてしまいました。鳥の絵柄が印刷されたものは買わないし、鳥の写真が飾ってあったり、壁紙が鳥の絵柄のようなホテルにも泊まれません。」

【5. ネコ恐怖症(エイルロ・フォビア:AILUROPHOBIA)】

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 噂によると、ナポレオン・ボナパルトをはじめとする多くの征服者たちは、ネコを恐れたという。

 歴史家キャサリン・マクドノによると、「ナポレオンがネコに好悪いずれかの感情を抱いていたという記録はない」そうで、おそらくナポレオンの話は嘘だろう。

 だが彼女の考えでは、この噂は、ネコに超自然的な洞察力があるという文化的な迷信を反映したものだという。

 「ネコには不思議な力があり、独裁者の傲慢な野心を見透かすと考えられてきました。
そのために大勢の独裁者が、薄弱な根拠に基づいてネコ恐怖症であるとの誹りを受けてきたのです。」

【6. ニワトリ恐怖症(アレクトロ・フォビア:ALEKTOROPHOBIA)】

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 2018年のケーススタディによると、ある男性(36歳)は、近所で飼育されているニワトリを目にすると、動悸、突然の口の渇き、胸のあたりの不快な感覚といったものを発症していたという。

 その後の調査で、この症状は、彼が子供の頃に遭遇したニワトリの恐怖に起因していることが判明した。

【7. 甲殻類恐怖症(オストラコノ・フォビア:OSTRACONOPHOBIA)】

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 2017年、NASCARのレーシングドライバー、デニー・ハミルトンが記者会見で「どういうわけだか、ロブスターが怖くてね」と口にした。隣の席で誰かがロブスターを食べていたりすると、ご飯が喉をとおらなくなるのだそうだ。

 そもそも、なぜこんな話題になったのか?

 この記者会見はニューハンプシャー・モーター・スピードウェイでのレースに優勝したあと開かれたもの。じつは、このレースでは、優勝者に大きな生きたロブスターを贈るのが恒例だったのである。

 20キロもあるロブスターを抱えた賞品授与者が彼に近づくと、ハミルトンはステージから逃げ出そうとした。

 これが甲殻類恐怖症で、カニやエビを食べて具合が悪くなった経験から発症することが多い。

【8. 魚恐怖症(イチッソオ・フォビア:ICHTHYOPHOBIA)】

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 生きた魚に囲まれたり、死んだ魚を食べたりできない恐怖症で、より一般的に見られるのはサメ恐怖症であろう。

 料理に出された魚を見たり、臭いをかいだりすると恐怖を感じ、場合によっては具合が悪くなってしまうこともある。こうした人は、スーパーの魚売り場にも近寄らないことだろう。

【9. ネズミ恐怖症(ムソ・フォビア:MUSOPHOBIA)】

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 2017年にイギリスで行われた恐怖症の調査によると、25パーセントの人がネズミに恐怖を感じているという。
その一方で、飛行機が怖いと答えた人は24パーセントだった。

 ネズミ恐怖症の人は、ハムスターのようなほかのげっ歯類も苦手だ。

【10. 馬恐怖症(エクノ・フォビア:EQUINOPHOBIA)】

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 精神医学の父ジークムント・フロイトは、馬に恐怖心を抱く少年について取り上げている。

 その少年、ハーバート・グラフ(4歳)は、酷使された馬がどさりと倒れこむ姿を目にした。それをきっかけに、蹄の音を聞いただけで不安に陥るほど馬を恐れるようになり、家に引きこもりがちになった

 グラフ少年はやがてこの恐怖症を克服したが、馬恐怖症は現在でも見られる。

 NFLチーム、カンザスシティ・チーフスのエリック・ベリーは、子供の頃、馬に噛まれたことがトラウマになっていた。

 ベリーにとって生憎だったのは、まだら模様の本物の馬がチームのマスコットだったことだ。

 元チームメイトのデリック・ジョンソンは、「あいつはいつも馬を気にしていたよ。こっちを見ていやしないかとか、妙なことをしたりしてやしないかとかね」と証言している。

【11. 犬恐怖症(サイノ・フォビア:CYNOPHOBIA)】

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 ヘビ恐怖症の人だったら、職場の同僚がオフィスにペットのアナコンダを連れてきやしないかと心配する必要はないだろう。

 だが犬恐怖症の人ならそうはいかない。なにしろ犬はそこかしこにいるのだ。
道端で犬に出くわしたから公園に逃げ込んだら、そこにも犬がいたなんてざらだ。

 ほかの恐怖症と同じく、犬恐怖症もまた幼い頃の犬によるトラウマが原因であることが多い。
 
 セラピストによると、こうした恐怖症を克服するには、きちんと管理された状態で恐怖の対象に触れることが有効であるそうだ。

 犬恐怖症なら、訓練士が見ているところで、きちんと躾されている犬と過ごすといいという。

References:11 Lesser-Known Animal Phobias | Mental Floss/ written by hiroching / edited by parumo

記事全文はこちら:馬・猫・ネズミ・ニワトリなど、あまり知られていないがわりと該当する人がいる11の動物恐怖症(※昆虫出演中) http://karapaia.com/archives/52271246.html
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