
ニュージーランド・ノースアイランドの温泉地ナファで掘り起こされた巨木は、なんと4万500年前のものだという。
長さ16メートル、重さ60トン、樹齢は約1000~2000年のこの巨木が、かつて地球の気候を大きく変えたとされる謎めいた現象を解明する手がかりになるかもしれないと期待されている。
大昔に起きた磁極逆転現象だ。磁極の逆転は、地球の気候に大きな影響を与えたと考えられている。
温泉地に埋もれていた太古のカウリの木 電力会社のトップ・エナジー社は、温泉地のナファの付近に新しい地熱発電所を建設するために掘削工事を行なっていた時のことである。
すると、地下9メートルの粘土層の中から長さ16メートル、重さ60トンもの巨木の丸太が発見されたのである。
あまりの大きさに、そのままでは掘り出せず、3つに切断した上でクレーンで持ち上げられた。それでも、切り株の部分だけで28トンもあったという。
[動画を見る]
こうしたノースアイランドの地中に良好な保存状態で埋まっている太古のカウリの木は、スワンプ・カウリや古代カウリと呼ばれている。古いものだと5万年前までさかのぼれるという、まさに古代の巨木である。
トップ・エナジー社では、「本来の持ち主に返すべき」であるとして、掘り返された丸太をマオリ族のコミュニティに返還する予定でいる。大昔に起きた磁極逆転現象を解き明かすヒント 丸太の発見はニュージーランドの先住民族マオリ族にとって嬉しい贈り物になるだけでなく、科学者にとっても大いに沸き立つ出来事である。
ニュージーランド、ワイカト大学のアラン・ホッグ氏によると、これは「ラシャンプ(地磁気)イベント」の謎を解き明かす大切なヒントなのである。
ラシャンプ・イベントとは、地球の北極と南極の磁極が逆転してしまう現象のことだ。
ところが、これまでこの逆転があったとされる時期に生きていた木は一切発見されていない。今回の発見がとても大切なのは、そういうわけなのである。
[動画を見る]
掘り返された木は4万500年前のものだと推定されている。また大きさから推測すると、死んだときの樹齢は1500~2000歳だったようだ。つまり、ラシャンプ・イベントが起きていた時代を生きていたと考えられるのだ。
ならば、カウリの木の年輪に含まれる炭素14の量を調べることで、磁極の逆転がいつ起きて、どのくらいの期間続いていたのか、より正確に把握できるようになるだろう。
磁極の逆転と磁場の弱まり、それに続く太陽の放射線が地表に届く量の増加は、地球の気候に大きな影響を与えたと考えられている。
References:Giant Ngāwhā swamp kauri log dated to 40,500 years old - NZ Herald/ written by hiroching / edited by parumo
追記:(2019/3/31)本文を一部訂正して再送します。
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長さ16メートル、重さ60トン、樹齢は約1000~2000年のこの巨木が、かつて地球の気候を大きく変えたとされる謎めいた現象を解明する手がかりになるかもしれないと期待されている。
大昔に起きた磁極逆転現象だ。磁極の逆転は、地球の気候に大きな影響を与えたと考えられている。
温泉地に埋もれていた太古のカウリの木 電力会社のトップ・エナジー社は、温泉地のナファの付近に新しい地熱発電所を建設するために掘削工事を行なっていた時のことである。
すると、地下9メートルの粘土層の中から長さ16メートル、重さ60トンもの巨木の丸太が発見されたのである。
あまりの大きさに、そのままでは掘り出せず、3つに切断した上でクレーンで持ち上げられた。それでも、切り株の部分だけで28トンもあったという。
[動画を見る]
こうしたノースアイランドの地中に良好な保存状態で埋まっている太古のカウリの木は、スワンプ・カウリや古代カウリと呼ばれている。古いものだと5万年前までさかのぼれるという、まさに古代の巨木である。
トップ・エナジー社では、「本来の持ち主に返すべき」であるとして、掘り返された丸太をマオリ族のコミュニティに返還する予定でいる。大昔に起きた磁極逆転現象を解き明かすヒント 丸太の発見はニュージーランドの先住民族マオリ族にとって嬉しい贈り物になるだけでなく、科学者にとっても大いに沸き立つ出来事である。
ニュージーランド、ワイカト大学のアラン・ホッグ氏によると、これは「ラシャンプ(地磁気)イベント」の謎を解き明かす大切なヒントなのである。
ラシャンプ・イベントとは、地球の北極と南極の磁極が逆転してしまう現象のことだ。
それが起きたのが正確にいつなのかまではわかっていないが、およそ4万1000年前頃に起きたと考えられている。
ところが、これまでこの逆転があったとされる時期に生きていた木は一切発見されていない。今回の発見がとても大切なのは、そういうわけなのである。
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掘り返された木は4万500年前のものだと推定されている。また大きさから推測すると、死んだときの樹齢は1500~2000歳だったようだ。つまり、ラシャンプ・イベントが起きていた時代を生きていたと考えられるのだ。
ならば、カウリの木の年輪に含まれる炭素14の量を調べることで、磁極の逆転がいつ起きて、どのくらいの期間続いていたのか、より正確に把握できるようになるだろう。
磁極の逆転と磁場の弱まり、それに続く太陽の放射線が地表に届く量の増加は、地球の気候に大きな影響を与えたと考えられている。
References:Giant Ngāwhā swamp kauri log dated to 40,500 years old - NZ Herald/ written by hiroching / edited by parumo
追記:(2019/3/31)本文を一部訂正して再送します。
『画像・動画、SNSが見れない場合はオリジナルサイト(カラパイア)をご覧ください。』
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