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かつて地球上にはけた外れの巨大な鳥たちが存在した。3700~4000万年の南極には、体高2メートル前後のペンギンがいたらしいし、16世紀まで体高3メートルにも成長する最大の走鳥類ジャイアントモアがいた。
だが現在も、まだまだ大きな鳥は存在する。ここでは現在も地球上に生存する、比較的大きな15の鳥たちを見ていこう。
【1. ダチョウ】
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世界最大として知られるダチョウは、羽根があるが飛ぶことはできない。その代わりに、毎時速約69.2kmの速さで走ることができる。1時間で48km~56kmほどの距離を進むことが可能だという。
体重は約99.8kg~136kg、体高244cm~274cmほど。寿命は通常50年ほどだが、80年生きるものもいるという。飼育下では短命の傾向がある。主にアフリカに生息。
【2. ヒクイドリ】
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オーストラリアとニューギニア島の領域に生息する。日本では、喉の赤い肉垂が火を食べているように見えたことから、この「ヒクイドリ(火食鳥)」と名付けられたという説がある。
ダチョウに次いで世界で2番目に大きな鳥とされ、アジアでは最大となる。
ダチョウと同じく飛ぶことはできない。平均体重はダチョウに次ぐ58.5kgだが、体高はエミューに次いで3番目となり、150~180cmほど。最大のもので2メートル近くにまで成長する。果実を中心とした雑食性で、平均寿命は40~50年。
【3. エミュー】
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オーストラリアに生息する飛べない鳥。タスマニア島とキング島のエミューは、1788年に絶滅した。泥で汚れたような茶色の深く繊細な羽毛を持つ。
体高はダチョウに次いで世界で2番目に大きいとされる。平均の高さは158cmほどだが、最も背が高いものだと190cm近くに達し、体重は最大で70kgまでに成長。平均体重は32~40kg。
時速50kmでの走行が可能で、長距離歩行もできる。植物や昆虫を主食とするが、栄養補給せずとも長期間生き続けることもできると言われている。
平均寿命は30年~40年。
【4. コウテイペンギン】
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ペンギンの中では最大種のコウテイペンギン。南極大陸に生息。飛ぶことはできないが、翼のある動物としては、世界で3番目に重いことでも知られており、体重は45kgになるものもいる。最大122cmまで成長する。
肉食性で、魚やオキアミなどの食糧を手に入れるために80km以上の距離を旅することも。また、水深535メートルに18分潜り続けることができたという記録もある。平均寿命は15~20年ほどとされているが、35年生きる場合もある。
【5. レア】
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南米に生息する大型の陸鳥、レア。飛ぶことはできない。平均体重は23kg~36kgほどで、平均体高は122cm~152cm。平均寿命は約15年。
メスは1年で20~60個ほどの卵を産むとされている。
【6. アフリカオオノガン】
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アフリカに生息するアフリカオオノガンは、飛べる鳥類の中でも最も重い鳥とされている。一番重い体重で18kgほど。乾いた草地に住み、メスは3~5個の卵を産む。最大150cmにまで成長する。
【7. ニシハイイロペリカン】
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ペリカンの中では最大のニシハイイロペリカン。飛ぶことができる。大きなものでは体重が33kgほどあるが、平均は11.5kgほど。体高は152~183cmで、羽根を広げると300cm~350cmほどの長さになる。南アフリカとヨーロッパに生息し、繁殖期は3~4月。寿命は19~25年。
【8. コンドル】
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南アメリカ大陸アンデス山脈に生息するコンドルは、南米コンドルやアンデスコンドルとも呼ばれる。
主食は、大型動物の死体。大きな翼を広げると、体長より200cmも長い全長330cmにもなる。体重は15kgほど。
繁殖期には、大きさ3~4cmの280gほどあるうっすら青みがかった白い卵を産む。
【9. コブハクチョウ】
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日本では、くちばし上部の付け根に黒い瘤(こぶ)のような裸出部があることからコブハクチョウと名付けられたが、英語圏では他のハクチョウと比べてあまり声を出さないことから「Mute Swan(ミュートスワン)」と呼ばれている。
主にユーラシア地方とアフリカ北部に生息。翼幅は254cmほど。繁殖期には1度に10個の卵を産む。
【10. ワタリアホウドリ】
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ワタリアホウドリは世界最大級の海鳥で、主に南半球に広く生息している。
翼を広げると最大335cmにもなり、体重は最大のもので12kgほど。ほどんどのワタリアホウドリは、海から離れた場所に住んでいる。
海で獲物を捕獲する際には、水中150メートルの深さで20分間も動き回ることができる。
生涯の90%にわたり、ほとんどを空中で過ごし、滅多に地上に降りないと言われている。
過去の記録では、12日間で6,000kmを旅したワタリアホウドリもいるという。平均寿命は30年とされるが、最長で50年生きることもある。
【11. 七面鳥】
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顎部分の赤い肉垂と18本の長い羽毛で固定された扇形の尾が特徴の七面鳥は、平均の全長100~125cmだが、メスはオスの半分ほどの大きさしかない。
体重は最大のもので39kgほど。野生の七面鳥は、繁殖期には小規模な群れを形成して生活する。家畜としても飼われており、欧米ではしばしば祝い行事にローストされた七面鳥が食卓に上る。
【12. ノガン】
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日本では山七面鳥とも呼ばれている。オスの全長は100~105cmでメスは75~80cm、体重はオスが18kg、メスは3~5kg。
ウクライナやドイツの一部地域、スペインや中国北西部、モロッコ北部、ロシア南西部などに生息し、夏季には中国からヨーロッパ東部やイベリア半島へ渡り、繁殖する。交配期以外、メスとオスは1年のほとんどを別々に暮らす。
【13. オウサマペンギン】
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エンペラーペンギンに次いで、2番目に大きいのがオウサマペンギンだ。
南極大陸の異なる島々に生息している。平均体長は94cm、平均体重はおよそ15kg。水中に潜り続けることができる時間は約5分。野生のオウサマペンギンは、ヒョウアザラシやナガスクジラ、サメなど数多くの天敵を持つ。野生の平均寿命は15~20年だが、飼育下では30年ほど生きるとされている。
【14. ナキハクチョウ】
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ナキハクチョウは、アメリカ北西部やカナダ西部に生息する。
成長した平均体長は130~165cmだがオスは180cmにまでなるものも。オスの体重は10.9~12.7kg、メスは9.4~10.3kg。平均寿命は野生で12年、飼育下で35年ほど。
【15. オオハクチョウ】
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アフリカオオノガン同様、オオハクチョウは、飛べる鳥の中でも最も重い鳥の1つ。オスは体重7.4~14kg、メスは9.8~11.4kgで、140~165cmまで成長し、翼幅は205~275cmにもなる。
ユーラシア大陸やアイスランドで繁殖し、冬季にはヨーロッパ地方、中国やカスピ海、日本の本州を含む北の地域へ飛来する。同じユーラシア大陸に生息するコハクチョウよりもはるかに大きく、長く太目の首が特徴だ。
なお、このリストは『thewondrous.com』に掲載されたものだ。
written by Scarlet / edited by parumo
追記:(2019/12/2)本文を一部訂正して再送します。
記事全文はこちら:現在地球上に生存する15の大型の鳥 http://karapaia.com/archives/52275010.html
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