
Image by Greg Montani from Pixabay
いるのかいないのか、できればいてほしい伝説のUMA、ネッシーロマンス。
1934年に大々的に話題となったネッシー写真はフェイクであったことが判明するも、まだその夢とロマンを捨てきれない人々は世界中に多く存在する。
それは科学者たちだって例外ではない。昨年、ニュージーランド・オタゴ大学の研究チームがネス湖のDNA調査を開始したことはカラパイアでも取り上げたが(関連記事)、その調査結果の一部が報告されたようだ。
研究者らは「ネッシーが存在しないとは断定できない」と、ポジティブな調査結果を匂わせる発言をしているという。
【ネス湖の3つの異なる深さから水のサンプルを採取】
ニール・ゲンメル教授率いる研究チームは、去年6月に2週間ほどかけて、ネス湖の3つの異なる深さから水のサンプルを採取した。
湖に暮らす生物が残したとされる微量の皮膚や鱗、羽毛や毛皮、更に糞便などを収集し、それらをニュージーランド、オーストラリア、デンマーク、フランスの各研究所で分析した。
ゲンメル教授によると、DNA検査では水中に生息していた3,000種類ほどの微生物とともに、15種類の魚が検出されたという。
これまでにも、ネッシーは古代に生息していた首長のプレシオサウルス(魚類と爬虫類の中間的生物といわれる)の生き残り、もしくはチョウザメや巨大ナマズという仮説があった。最近ではヨーロッパオオナマズ説が発表されたばかりだ。
・ネス湖に巨大生物は存在するよ、怪獣じゃないけどね。「ネッシーの正体は巨大ナマズ」説を唱える研究者(スコットランド) : カラパイア
教授らは、今回このデータを使用して、ネッシーの性質に関する一般的な仮説を検証した。
[画像を見る]
Image by gremlin/iStock
【ネッシーが存在しないとは断定できないとの結論】
今回の研究で、ポジティブな手ごたえを得ることができたのか、ゲンメル教授は次のように話している。
主要なネッシー仮説をそれぞれ1つずつ検証したところ、言えるのは「3つは正しくないが1つは正しいと言えるかもしれない」ということです。
我々が、ネッシーの存在を否定することは決してありません。しかし、証拠が見つからなければ何も証明することができません。
我々にできるのは、発見したことを説明することだけです。目的としては、ネス湖の生物多様性をある程度詳細に文書化することであり、それを達成したと言えるでしょう。
もっと深いミステリーがあるかどうか…
それは、あなたが何をどこまで信じるかによりますね。
ちなみに、今年に入ってからも6件のネッシー目撃情報が寄せられているという。このネッシー伝説がスコットランドにもたらす経済効果は、毎年およそ61億円とも言われている。
年間何十万人もの観光客がこの神話のモンスターとの出会いを求めてやってくるのだ。
・ネス湖のネッシー、その経済効果は年間61億円(スコットランド) : カラパイア
なお、この研究のすべての結果発表は速くて来月、遅くても今年中にはなされるとのことだ。
References:Loch Ness monster 'might be real' as scientists make 'surprising' discovery - Mirror Online/ written by Scarlet / edited by parumo
記事全文はこちら:ネス湖のDNA調査の結果の一部が発表される。科学者らは「ネッシーがいないとは断定できない」と意味深な発言 http://karapaia.com/archives/52275184.html
編集部おすすめ