スウォーマゲドン?カリフォルニア州南部で1000回を超える群発地震が発生(アメリカ)

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 日本ではつい先日山形県沖地震が起きたばかりなだが、海を挟んだアメリカ、カリフォルニア州南部のサンバーナーディーノとリバーサイドでは、ここ3週間で1000回以上もの小さな群発地震が発生しており、街に不安に陥れている。

 群発を意味する「スウォーム(swarm)」を、世界の破滅をあらわす「アルマゲドン( Armageddon)」と掛け合わせた造語「スウォーマゲドン(Swarmageddon)」も誕生し、そのハッシュタグがつけられたコメントがSNSで多くつぶやかれている。

【最近頻発する小規模な群発地震】

 カリフォルニア州は、マグニチュード3クラスの小さな地震なら平均2日に1度は起きているくらい地震の多い地域だ。もちろん、それらすべてで被害が出ているわけではないが、中には危険なものもある。

 幸いなことに、ここ最近の群発地震が直ぐに大地震につながるわけではないという点で、専門家らの意見は概ね一致している。

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More Than 1,000 Small Earthquakes Hit Southern California

【懸念されるサンアンドレアス断層の影響】

 だが付近には「サンアンドレアス断層」という巨大な断層が走っており、近い将来ここの活動が震源となって大地震が発生する可能性があるとは常々指摘されていることだ。

 前回、カリフォルニア州で大地震が起きるのではと地震学者らの間に緊張が走ったのは、3年ほど前のこと。2016年9月26日から小さな地震が立て続けに発生し、サンアンドレアス断層付近にあるソルトン湖の湖底に亀裂が生じ始めた。

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 その中にはマグニチュード4を超えるものが3つあり、これらによるドミノ効果がサンアンドレアス断層を長い眠りから覚まさせてしまうのではないかと懸念された。

そうなれば、マグニチュード8.2もの大地震が起きてもおかしくはなかったが、このときはその恐怖が現実となることはなかった。

【将来的には大地震が来る可能性も否定できない】

 とはいえ、専門家によれば、小型の群発地震が発生するたびに、大地震が起きる可能性は少しずつ上昇しているそうだ。

 もしかしたら、小さな地震が生じることで断層のエネルギーが逃げるのだから、地震は起きにくくなると考える人もいるかもしれない。だが地震学者のルーシー・ジョーンズ氏によれば、この考えは誤解だという。

 一方で、それによって大地震の発生が確実になるという考え方も必ずしも正しくないそうだ。


 どんな地震であっても、次の大地震が起きる日はわずかながら近くことだろう。だがほとんどの場合、それはほんの少しに過ぎないのだ。

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【カリフォルニア大地震の可能性は5パーセント】

 5月25日から始まった今回の群発地震は、最大のものでもマグニチュード3.2とそれほど懸念すべき大きさではなかった。

 加えて、サンバーナーディーノとリバーサイドがサンアンドレアス断層やサンジャッキント断層からかなり離れていることを考えれば、これが大地震の引き金になることはおそらくないだろうと推測されるている。

 もちろん、今回の群発地震が大地震の引き金となる可能性はゼロではない。だが、その可能性はわずか5パーセントとのことだ。

 とは言え、いつ何時どこに大地震が来るかは今の技術では完全に知ることができない。地震大国である日本に住む我々はそのことを熟知しているはずだ。

 いつ地震が来ても万全の体制で臨めるように、避難場所をしっかり頭に入れ、ヘルメットや懐中電灯などはいつでも手の届くところに置いておこう。 

References:A swarm of 1,000 earthquakes hit Southern California — how nervous should we be? - Los Angeles Times/ written by hiroching / edited by parumo

記事全文はこちら:スウォーマゲドン?カリフォルニア州南部で1000回を超える群発地震が発生(アメリカ) http://karapaia.com/archives/52275818.html
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