大人が遊びに本気を出した。空を飛べるし弾丸も弾く、アイアンマンのパワードスーツをガチで制作


 子供の時のワクワクした気持ちを忘れていない大人たちが本気を出すと、すごいものが出来上がる。

 マーベルコミックのスーパーヒーロー『アイアンマン』はパワードスーツを装着して自由に空を飛び回り、悪い奴らをやっつけてくれる。


 子供のころからずっとアイアンマンにあこがれていた大人たちが、ついに空を飛べるパワードスーツを完成させたようだ。
 
 オーストラリアのテレビ番組『怪しい伝説』でホストを務めていたアダム・サヴェッジは、アメリカ・コロラド鉱山大学のエンジニアに協力を仰ぎ、リアル・アイアマンパワードスーツ作りに挑戦し、その夢を実現したのである。
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Adam Savage's One Day Builds: Iron Man Armor Stand!

【本当に飛べるアイアンマンスーツを】

 ベースとなったのは、グラビティ・インダストリー製のジェットパックだ。この1000馬力の小型ジェットエンジンをアイアンマンスーツに取り付ける。

 スーツは単なるハリボテではない。サヴェッジ氏がきちんとアイアンマンに見えることに強くこだわったため、チタンを最新の3Dプリンターで成形。

 さらにウレタン、グラスファイバー、3Dプリントナイロンを仕様して、ちゃんと装着できるよう作り込まれている。関節はヒンジ式で、指先まで手抜かりはない。

 さらに防弾仕様にもこだわった。弾丸をも弾くというのだから、パーフェクトなアイアンマンスーツだ。

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Is Adam Savage's Iron Man Suit Bulletproof? | Savage Builds

 このパワードスーツは腕に4基、背中に1基、計5基の1000馬力のミニジェットエンジンが搭載されている。

 これらのエンジンはサヴェッジ氏の友人であるイギリス人発明家のリチャード・ブラウニング氏が運営するグラビティ・インダストリー社から提供されたものだ。


【バランスをとるのに悪戦苦闘】

 鈍く輝く銀のスーツは、それほど着心地は良くないようだ。特にアイアンマンらしく強くカーブするスネの部分が人体とはかなり違うため、非常に違和感があるそうだ。

 またジェットパックは空中できちんとバランスを取ることが結構難しいらしい。サヴェッジ氏は、いろいろなサーカスの訓練を受けた経験があり、ジェットパックについてもよく勉強していたのだが、試しに飛んでみると悪戦苦闘。
 
 普段着姿でもこれなのだから、重たくて、視界が限られたスーツを着て飛行するのは無謀と断念。その役割は相棒のリチャード・ブラウニング氏に委ねられることになった。

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【そしてついに4.5メートルの飛行に成功!】

 スーツを着たブラウニング氏がジェットを吹かすと、ヒィィーンとすごい音がする。さすがは1000馬力のジェットエンジン。そのまま4.5メートル浮き上がって、目的の着陸台まで飛行することに成功した。

 その姿は確かに映画の中のアイアンマンだ、トニー・スタークだ。

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 今のところ、高層ビルを飛び越えて、敵と死闘を繰り広げるなんてことはできないが、本物のスーパーヒーロー誕生へ向けて幸先の良いスタートだ。

 これから改良を重ねれば、地球の危機を救うとまではいかないが、戦地や被災地で活躍してくれそうな防御力の高い空を飛べるパワードスーツになるかもしれないな。


References:Go behind the scenes as Adam Savage tests an Iron Man suit that really flies - CNET/ written by hiroching / edited by parumo

記事全文はこちら:大人が遊びに本気を出した。空を飛べるし弾丸も弾く、アイアンマンのパワードスーツをガチで制作 http://karapaia.com/archives/52276529.html
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