閉鎖予定のショッピングモールを利用し、80年代風モールに大改造。さすがアメリカのTVドラマはお金のかけ方が違う


 1980年代のインディアナ州の架空の町ホーキンスを舞台とするNetflixのSFホラーテレビドラマシリーズ、「ストレンジャー・シングス(Stranger Things)未知の世界」は、アメリカで大人気のドラマである。

 今年7月4日からシーズン3が配信中だが、この最新シーズンが設定される1年前、Netflixは実在するジョージア州のモールの一部を舞台セットとして大改装。細部へのこだわりが注目される80年代のショッピングモールに生まれ変わった。
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Stranger Things 3 - The Game Player (Starcourt Mall clip)

【本物のモールを舞台にしたセットは細部にわたってリアル】

 ドラマの中でStarcourt Mall(スターコート・モール)と名付けられたショッピングモールは、ジョージア州に実在するグウィネットプレイスモールの中に構築された。

 グウィネットプレイスモールは閉店間近とされているが、この中に「ストレンジャー・シングス」の撮影チームは80年代のモールを見事に再現したのだ。


 果たして、Netflixは撮影のためにモール内に約40店舗を建設。Burger KingやHot Dog on a Stickなど既存の店舗も含んでいるが、それらもすべて80年代の店舗を再現したものだ。

 もちろんドラマの登場人物は80年代のユニフォームを着用している。

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 モール内の全ては、当然のことながら全てが撮影され放送されるわけではない。それにも関わらず、各店舗には細部のこだわりが見られ、まるでモールそのものが80年代にタイムスリップしたかのようだ。


【ドラマの裏エピソードでは店舗建設の苦労話も】

 通常、撮影に必要な最低限のセットは部分的に組み立てられる。しかし今回、Netflixが全店舗を建設することを選んだのは、映画製作者が未完成の背景を気にすることなく、どんな角度からでもカメラを回せるという可能性と柔軟性を望んだからだ。

 しかし、時代に合わせてその雰囲気を完璧に出すよう、細かくセットを作り上げるのは、コスト以外に莫大な時間もかかる。

 ポッドキャストでは、そうした撮影のエピソードを聞くことができ、舞台・美術監督のジェス・ロイヤルさんは、撮影されなかったセットを作るために驚くほどの時間がかかったことを語っている。

 例えば、Wixandstixというキャンドルショップは、80年代という時代にとてもマッチしたセットに仕上がったという。撮影ではこの店を使う話も出ていたようだが、結局は実現しなかったそうだ。

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【セットの完成度の高さにファンは大歓喜!だが現在は解体中】

 実は、モール自体を改装するにあたって役立ったのが、ロケ地を偵察していた製作チームが見つけたスクラップブックだった。そこには、80年代のモールがどのように見えたのかという画像が含まれてあり、今回の撮影の大きなアイデアとなったようだ。

 撮影後は、細部まで完璧に80年代を醸し出しているStarcourt Mallを隅から隅までじっくりと歩き回りたいと思うドラマの熱狂的ファンのために、観光名所化させる声もあがっていた。

 しかしNetflixが反対したことにより、残念ながら現在は解体中となっている。ほとんどの店舗は既に空になっており、ほんの一握りの店が残っているのみだ。

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 レトロなモールは、このままおそらく永遠に姿を消してしまうことだろう。ただ、こっそりとモール内を回り、動画に収め、YouTubeに投稿しているファンもいることから、モール内の様子を楽しむことは可能だ。それと同時に、SNSにはモール内の写真や動画も数多く投稿されている。

References:The Vergeなど / written by Scarlet / edited by parumo

記事全文はこちら:閉鎖予定のショッピングモールを利用し、80年代風モールに大改造。さすがアメリカのTVドラマはお金のかけ方が違う http://karapaia.com/archives/52277128.html
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