未だそこに謎がある。ミステリー・サークルに関する真実を求めて

Jabberocky/wikimedia commons
 ミステリー・サークルという言葉を耳にしたことがあるだろう。名前にミステリーがついているから、いかにも不思議と謎な感じがするが、英語ではクロップ・サークルと呼ばれるのが一般的だ。


 これは、田畑や草原などの一部が円形(サークル形)、あるいは複雑な模様を描いた形状になっている現象のことだ。

 ミステリー・サークルは謎めいた現象として注目されていたが、その多くが人為的なものであることが判明している。だがすべてが解明されたわけではない。何らかのメッセージが含まれている可能性も否定できないのだ。

 ここでは、様々な専門家の意見をもとに、ミステリー・サークルの真実に迫ってみよう。
【ミステリーサークルに残されたメッセージ?】

 ミステリーサークルを研究しているバート・ジャンセンは、ミステリーサークルの謎めいたデザインの数々は、人々に宇宙における自分たちの立場を発展、理解させるよう導くための、サブリミナル(閾下)メッセージだと考えている。

 数えきれないくらいのミステリーサークルの例を見てみると、その多くが関連性があることがわかるという。

ミステリーサークルを研究してきて、それぞれが別々の独立したものではないと確信しました。高所からサークル全体を見てみると、これらは互いにつながっていることがわかるのです。

細かい些末なことにとらわれるのではなく、もっと大きな視点で見てく0.ださい。近くで低いところから見るのではなく、できれば上空から全体像を見て欲しい。大きな視点で見れば、そこに唯一無二のメッセージが、ひとつのシグナルが見えてきます


【カメラマンが見たミステリーサークル付近での光のオーブ】

 ドキュメンタリー番組「New Swirled Order」の中で、カメラマンのスティーブ・アレキサンダーは語っている。


 1990年7月26日、午後4時にイングランド南東部の丘陵地ダウンズのミステリーサークル付近で、光を放つオーブが飛ぶのを目撃、撮影して以来、偏見をもたずにものを見る姿勢をとるようになったという。

ミステリーサークルがすべて人間の手によるものだと思いたいなら、そのほうが簡単だから楽だと思う。あれは人工物ではなく、わたしたちの理解の範囲外のものであるという考えに向かうと、より難しいことになるからだ

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Crop Circle at Hackpen Hill Wiltshire 26.08 2012

【ミステリーサークルと魔女裁判】

 ミステリーサークルへの関心が取りざたされるようになったのは、この数十年のことだが、初めて事件が起こったのは、1519年にさかのぼる。

 フランス、ロレーヌで魔女裁判が行われていたときに、"ミステリーサークル"らしきものがほのめかされている。

 その後、ミステリーサークルは、サボという木靴を履いて、作物を踏んでいた貧しい人たちによる"抗議行動の形"となった。

 こうした抗議は、教会や貴族たちが貧しい人たちを犠牲にして、贅沢な生活を送っていたため起こった無数の暴動の一環だった。こうした貧しい人たちは、支配階級の勝手な都合で、魔術を使ったとして咎められることもあったのだ。

事実、サボタージュという単語はフランス語が語源で、文字通りの意味は"サボをカタカタいわせる"という意味。抗議の形として農民が作物を踏みつけたことをさしている

 教会の魔女迫害も含め、こうした現実がきっかけで、おとぎ話や民間伝承の中にミステリーサークルが出てくるのを見かけるようになった。

【悪魔とミステリーサークル】

 このような話のひとつには、自分の畑からオート麦を収穫した貧しい労働者が、金持ちの地主に高い賃金を要求するという、べつの抗議話もある。

 1678年のイギリスの木版画の冊子に「草刈デビル(The Mowing-Devil)」という話がある。地主が、農民に賃金を払うくらいなら、悪魔に仕事をやらせて金を払うほうがましだとして、高い賃金の支払いに反対した。


 その夜、畑が不気味に光り、朝になると作物がすべて倒れていたという。作物はそれぞれ隣に重なるようにきれいに倒れていて、とても人間の仕業とは思えなかったというものだ。その挿絵には、名前のとおり鎌を使って円形に麦を刈っている悪魔の図であり、まるで現代のミステリーサークルを思わせる話だ。

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commons wikimedia
【グリム兄弟とミステリーサークル】

 初期のミステリーサークルの話には、アイルランドのおとぎ話の中の"妖精の輪"を引用したグリム兄弟の話もある。

 森の中で地面に円形に並ぶものがあると、妖精が草を踏み倒して円を作り、その中でダンスをしたと考えられた。この円は、異次元への入り口と考えられることもあり、魔女の輪とか、妖精の輪と呼ばれた。

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Fairy Rings

 世界中でこうした逸話はあり、場所によって円の解釈は違っていて、呪いや祝福のどちらともとられることがある。

 現代なら、こうした不思議な円"妖精の輪"は、キノコが地面に環状に発生する菌輪という現象で、菌類の自然な成長パターンだとほとんどの人が知っている。

 おとぎ話を鵜呑みにしているのでなければ、ミステリーサークルのような形態は、通常の地球の生物活動のひとつだと考えられる。

【ミステリーサークルが我々を魅了する理由】

 だが、さらにおもしろいことに、より精密なミステリーサークルは、地球の自然が作り出した驚異ではなく、地球外生物や悪ふざけをする者がこしらえたものと信じる人もいる。ミステリーサークルは、それが現われた場所に光るオーブが飛び交うことも多い。

 こうしたオーブはよく動画にとらえられるが、例にもれず、その正体がなんであるか、証明できるどんな証拠もまだ見つかっていない。


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New swirled order (CropCirlce documentary by NuoViso)

 それでも、ミステリーサークルはわたしたちを魅了し続ける。自由エネルギーや新しいテクノロジー、人類が次のレベルへと進化するのを助けるパラダイムシフト(ある分野で支配的な理論の基礎となる前提、つまりパラダイムが劇的に変化すること)をもたらし、それがもつメッセージがいつの日か社会を変革するだろう、といった考えを吹き込みさえする。

 もし、メッセージが柔軟に受け入れられて、大局的に見ることができるなら、真の起源がなんであれ、それは人類になにかを思い出させる前向きな助言といえるだろう。

References:Crop circles: From witch trials, to the devil, fairy rings, and extraterrestrials | Ancient Code/ written by hiroching / edited by parumo

記事全文はこちら:未だそこに謎がある。ミステリー・サークルに関する真実を求めて http://karapaia.com/archives/52277352.html
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