
Michael Grogan/wikimedia commons
溶解したガラスの塊を冷水に落として作るオランダの涙(ルパートの滴)は、優雅なフォルムからは思いもよらない神秘的な性質がある。
オタマジャクシの頭のような部分は途方もなく強いのに、尾のような先端部分が割れるだけで粉々に砕けてしまうのだ。
たとえ手のひらサイズでも数十トンの力に耐え、爆発的に砕け散ると言われている神秘のガラス。その強度をサイズ別に検証すべく行われた油圧プレス実験がすさまじかった。
【強くて脆いガラスの涙。オランダの涙】
オランダの涙(ルパートの滴)は、溶けたガラスを冷水に垂らして作るためオタマジャクシにも似た涙滴型をしてる。
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このガラスの本体部分は形から想像がつかないほどすさまじい強度があり、ハンマーで叩いてもへっちゃら。なのに細長い尾の部分が壊れると一気に粉々になってしまう。
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その様子はまたたく間に霧散して消える儚い涙のようにもみえる。この強さと脆さの激しいギャップがルパートの滴の魅力ともいわれている。
【強くて儚いガラスの涙。ルパートの滴】
そんなルパートの滴の強度テストに挑んだのが、油圧プレスの実験が得意なHydraulic Press Channelだ。
※再生時爆発音注意
[動画を見る]How Strong Are Prince Rupert's Drops? Hydraulic Press Test!
テストには150トンの油圧プレスと力覚センサーを使用。
今回はレギュラー、ラージ、ヒュージとサイズが異なる3つを用意し、どれほどの力に耐えられるのか、小さいものから順に強度を計測した。
【油圧プレスがオランダの涙の強度に負けただと?】
1個目のレギュラーは29トンちょいで、油圧プレスをずらすほどの勢いで砕けてしまった。
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しょっぱなから金属台が凹むとか大変なことになっている。
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次に大きいラージは…
なんと68トンまであと一息と大きく差をつけた!
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最小サイズの2倍以上の力に耐えて砕け散ったルパートの滴。
もはやガラスってより立派な爆発物のイメージだ。
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で、最後は一番大きいヒュージサイズ。
ついつい期待が高まるが、結果はわずか37トン。
強度もけっこうばらつきがあるんだな。
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てか、ここまでくると感覚がマヒしてちゃって、最高記録の67トンにもピンと来なくなってたのだが、同じ力で分厚いナットを潰すおまけ実験に納得。
ほう…
ぺしゃんこになっちゃうくらいなのかそうなのか…
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【当たった銃弾を砕くほどの強さ】
とまあ見た目に反して途方もない強度を発揮したルパートの滴。先を折ればあっけなく割れるのにのにこんなに強いとは思わなかったよもう。
同チャンネルより
粉砕の瞬間をとらえたスーパースローモーション映像
[動画を見る]Making Light by Crushing Prince Rupert's Drops with Hydraulic Press
ちなみに以下はルパートの滴に銃弾を撃ちこむ実験動画。この勝負ではルパートの滴に当たった銃弾がみごとに砕け散る瞬間も見られるぞ。
[動画を見る].38 Special vs Prince Ruperts Drop at 170,000 FPS - Smarter Every Day 169
References:geekologie / wikipediaなど /written by D/ edited by parumo
記事全文はこちら:神秘の溶融ガラス「オランダの涙(ルパートの滴)」を油圧プレスにかけてみたところ、ものすごいことに! http://karapaia.com/archives/52278718.html
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