
4月末に、ノルウェー北極海沖でハーネスを胴体に巻き付けられた状態で、漁師に発見されたシロイルカ(ベルーガ)を覚えているだろうか。
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シロイルカは、ロシア製のハーネスを装着していたことから「ロシアのスパイでは!?」と話題になったが、今回数か月の時を経て、そのシロイルカの姿が再び捉えられた。
ノルウェーのとある港で、水面を泳ぐカモメに戯れていたという。どうやら元気に暮らしているようだ。
【「ロシアのスパイ」と疑われたシロイルカ】
4月26日、ロシアの海軍基地があるムルマンスクから415kmほど離れたインゲヤ島沖で、一頭のシロイルカがGoProのカメラホルダーとハーネスを装着した姿で発見された。
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ロシア製のハーネスには英語で「サンクトペテルブルクの備品」と書かれており、専門家らの間では、このシロイルカが「ロシア海軍に訓練されたスパイでは」という疑惑の声が挙がった。
結局、漁師にハーネスを外してもらい、シロイルカは自然へと返された。しかし、「人間により訓練を受け続けてきたイルカは、自然界では生き延びていけないのでは」と懸念されていた。
話題になったこのシロイルカには、“Hvaldmir”という名前が付けられていた。
【5か月ぶりに元気な姿がキャッチされる】
9月2日、ノルウェー北部の町ハンメルフェストにある港で、Hvaldmirが元気にしている姿が5か月ぶりにキャッチされた。
ノルウェーで船の一等航海士として働くヤンーオラフ・ヨハンセンさん(49歳)は、港を散歩中、突然シロイルカが姿を現したことに気付いた。
よく見るとそれはHvaldmirで、Hvaldmirは水面を泳ぐカモメと遊びたがっている様子だった。
【シロイルカは遊んでほしくてカモメにロックオン】
ヨハンセンさんは、動画にその光景を撮影した。シロイルカはもしかしたら、一緒に遊んでくれる友達が欲しかったのかもしれない。
近くにいたカモメの泳ぐ後をついて泳ぎ、時にカモメをくわえようと口を開ける仕草がとらえられている。
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カモメは、最初は驚いたようだったが、次第にしつこく遊びたがるシロイルカに無関心を決め込み、シロイルカが近付くとスーッと泳ぎ去ろうとする。
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それでもシロイルカは諦めず、カモメと戯れようとする。カモメはこの大きくて白い生き物を怖がっている様子はなく、すぐに飛び去ろうともしなかったという。
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この愛らしい光景を見たヨハンセンさんは、次のように話している。
Hvaldmirはカモメと遊びたがっていました。私が驚いたのは、Hvaldmirのカモメへの接し方がとても優しかったことです。このような光景が見られて、特別な気持ちになりました。
Hvaldmirはとても健康そうで、元気で、好奇心旺盛でした。カモメはあまり相手にせず魚を捕ることに夢中になっていました。そのうち飛んでいきましたよ。シロイルカには全く傷つけられていませんでした。
ヨハンセンさんによると、Hvaldmirを見ようとこの港には多くの人がやってくるという。しかし、いつまでHvaldmirがいるのかはわからない。ただヨハンセンさんが見る限り、Hvaldmirはとても元気そうにしているということだ。
References:dailymailなど / written by Scarlet / edited by parumo
記事全文はこちら:「ロシアのスパイ」と疑われていたシロイルカ、カモメと戯れている姿が目撃される(ノルウェー) http://karapaia.com/archives/52282408.html
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