【R.I.P】もふもふ羊のクリス。ギネス世界記録に認定された「世界で最も毛が多い」羊が天命を全うしこの世を去る(オーストラリア)


 2015年に、オーストラリアのキャンベラ郊外で、大量の羊毛に覆われて荒野をさまよっているところを救助・保護されたメリノ種のクリスが、老衰のため10月22日に死亡した。 ヒツジの平均寿命は10年から12年とされている。
クリスの推定年齢10歳とされている。

 クリスの羊毛の多さは、ギネス世界記録に認定されるほどだった。

 クリスが旅立ったことをフェイスブックでシェアした、キャンベラの家畜保護慈善団体が経営する農場「リトル・オーク・サンクチュアリ(Little Oak Sanctuary)」のスタッフは、「羊毛の重さで注目を集めた羊だったが、それ以上に大きな存在だった」とその死を悼んだ。
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Beloved Australian sheep famed for record-breaking overgrown fleece has died

【大量の羊毛を身に纏っていたところを保護されたクリス】

 クリスがキャンベラ郊外で保護されたのは、2015年のこと。仲間もおらず、たった一頭で荒野を孤独にさまよっていた羊は、立つのもままならないほどの大量の羊毛を覆っていた。

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 足元まで垂れ下がったその羊毛は、体に負担を与え感染症の危険性もあったため、羊を救助・保護した人々は早急に毛を刈り取る必要があると判断し、羊毛刈り大会の優勝者が数人の協力を得て、45分かけて毛刈りを行った。

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【羊毛の重さでギネス世界記録に認定される】

 刈られた羊毛は、重さが約41kgにもなったことから、「1回の毛刈りで、刈り取った毛の量が最も多かった羊」としてギネス世界記録に認定され、後にオーストラリア国立博物館に寄贈され、展示されることになった。

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 当時、博物館の職員は次のように述べていたという。

あのまま重い羊毛に覆われていれば、おそらく数週間しか生きられなかったでしょう。移動も困難で、天候が温かくなると熱のストレスを受けやすかったに違いありません。

 事実、野生の羊とは異なり、羊毛のために飼育されている現代の家畜化された羊は、羊毛を失わないように育てられている。そのため、飼い主に捨てられ野生化した羊が人間に毛を刈られることがなければ、その羊毛は成長する一方なのだ。


 およそ5年以上も毛が伸び放題の状態で過ごしていたとみられるその羊は、キャンベラにある非営利団体経営の農場「リトル・オーク・サンクチュアリ(Little Oak Sanctuary)」に引き取られ、クリスと名付けられた。 

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【推定年齢10歳のクリス、老衰でこの世を去る】

 当時、各メディアが「大量の羊毛を纏った羊」と報じ、ギネス世界記録に認定されたこともあって、クリス「世界で最も毛の多い羊」として一躍有名になった。

 しかし、それからおよそ4年後の10月22日、クリスは老衰で旅立った。クリスの訃報をフェイスブックでシェアしたリトル・オーク・サンクチュアリは、このように綴っている。

みなさんに、とても悲しいお報せがあります。羊のクリスが旅立ちました。

クリスはとても愛らしく賢くて、人懐こい羊でした。

羊毛の重さで注目を集め、世界記録を保持していたクリスでしたが、私たちにとってはそれ以上に大きな存在でした。

今、私たちはクリスを喪って大きな悲しみに暮れています。

クリスが世間に知られることになった出来事よりも、クリスの存在そのものを私たちは永遠に忘れることはないでしょう。

クリスよ、どうか安らかに。


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【ユーザーらからは、クリスを保護した農場に感謝の声】

 2015年に話題になった羊を覚えていた人も多かったようだ。
フェイスブックで訃報がシェアされると、多くのユーザーらからこのようなコメントが寄せられた。

・クリスは虹の橋を渡ったんだね。クリスを保護し、暖かい住処を与え、クリスを愛してくれた農場のスタッフのみなさん、本当にありがとう。

・クリスは、この農場で保護され飼育されて本当に幸運だったと思う。晩年はきっととても幸せだったんじゃないかな。クリスを世話してくれたリトル・オーク・サンクチュアリ、ありがとう。

・この農場でボランティアとして働いているけど、クリスの鳴き声をもう聞けないなんて、なんだか寂しい。とっても性格が良く、みんなに喜びをもたらしてくれた羊だったよ。

・ニュースを知ってすごく悲しい。どうか安らかに…。

・クリスを世話してくれたみなさんに、心からお悔やみ申し上げます。

・クリスはきっと、農場でたっぷりの愛情を注いでもらっていたんだろうね。
悲しいけど、きっと今は天国で幸せに暮らしているはず。

References:Fox Newsなど / written by Scarlet / edited by parumo

記事全文はこちら:【R.I.P】もふもふ羊のクリス。ギネス世界記録に認定された「世界で最も毛が多い」羊が天命を全うしこの世を去る(オーストラリア) http://karapaia.com/archives/52283879.html
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