
Vitabello/pixabay
中国の広西チワン族自治区で、依頼人に殺しを頼まれた暗殺者が下請けを雇い、その下請けが更に下請けを雇い、最終的には五次請けまで発展した殺人未遂事件が起こり、依頼人と5人の殺し屋が実刑判決を受けた。
中国の殺し屋(ヒットマン)業界の多重下請け事件は、当初証拠不十分で6人全員が無罪を言い渡されていたが、検察側の控訴により3年かけて再審理がなされ、今年ようやく裁判に終止符が打たれた形になった。
【暗殺の多重下請けが発生】
2013年秋、広西チワン族自治区南寧市で不動産開発業をしていたタン・ヨウフェイは、ライバル会社のウェイ・モウさんと法的紛争を起こし、ウェイさんから訴えられた。
裁判で負けて多額の損失が出ることを恐れたタンは、ウェイさん殺害を思い立ち、殺し屋シー・グワンアンに200万元(約3080万円)で暗殺を依頼した。
[画像を見る]
moerschy/pixabay
ところが、シーは依頼金の半分100万元(約1540万円)を自分の手元におさめ残り100万元で、下請けの殺し屋モ・テンシャンにウェイさん殺害を依頼。
その殺し屋が更に三次請けとして、別の殺し屋に27万元(約416万円)で依頼すると、三次請けは四次請けに20万元(約308万円)で仕事を持ちかけた。
そしてついに、四次請けの殺し屋が10万元(約154万円)で五次請けの殺し屋リン・シェンスーに依頼したところで、最終的に暗殺が引き受けられた。
もともと3080万円の仕事は最終的に154万円となったのだ。人1人の値段がずいぶん安くなってしまったものだ。
【五次請けの殺し屋、ウェイさんに殺害偽装を持ちかける】
10万元で暗殺を請け負ったリンは、最初のタンの依頼からほぼ半年後の2014年になって。ウェイさんに連絡し南寧市で会うよう求めた。
[画像を見る]
Vitabello/pixabay
カフェに現れたウェイさんに、リンはこのように話を持ちかけた。
たった10万元で、あんたを殺したくなどない。私に協力してくれ。
ウェイさんは、殺害されたフリをすることに同意し、リンはウェイさんを縛り付けた写真を撮影。その後10日間ほど行方をくらましていたウェイさんは、戻ってくると警察に全てを打ち明けた。
そして逮捕となった殺し屋は合わせて5人。しかし2016年、当時まだ起訴されていなかったリンを除く4人の殺し屋と依頼人には、証拠不十分で無罪という判決が下されたのだ。
[画像を見る]
TPHeinz/pixabay
【3年にわたる再審理の結果6人に実刑判決】
有罪判決率99%の法廷制度を持つ中国で、この事件は「稀な無罪判決」と話題になり、検察側は後に控訴。南寧中級人民法院にて再審理が行われることになった。
そして3年におよぶ審理の結果、ようやく今年になり依頼人のタンを含む5人の殺し屋に殺人未遂罪の実刑判決が言い渡された。
タンには懲役5年、一次下請けの殺し屋シーには懲役3年6か月、二次下請けには懲役3年、更に三次と四次下請けには各3年3か月の懲役刑、そして最終下請けのリンには2年7か月の懲役刑が課せられたという。
References:sohuなど / written by Scarlet / edited by parumo
記事全文はこちら:殺し屋が下請けを雇い、その下請けが更に下請けに...最終的に「5次請け」となった中国の暗殺稼業が明るみに http://karapaia.com/archives/52284047.html
編集部おすすめ