
リスといえばナッツ、ナッツといえばリスと連想される程度にナッツに目が無いリス。
海外などではリスが民家に侵入し、窃盗行為を働く姿がとらえられているが、イギリスのあるお店でも、リスの窃盗被害に悩んでいた。
ある日のこと、その店に堂々と現れたのは、地元では名の知れたリスのバートン。彼こそが店の商品を奪い取っていく窃盗犯だったのだ。
どうやら彼は店主にある取引を持ち掛けたらしい。彼専用のナッツを店に用意しておけというのだ。店主はこの取引に応じたのだが、果たしてその結果?
【リスの窃盗に遭っていたスナックスタンド】
イギリスのマンチェスターにオールセインツパークという公園がある。その通り沿いにある青果店Haveabananaはある悩みを抱えていた。
当時、この店にあるスナックスタンドは数週間にわたり、小動物窃盗犯のターゲットにされていた。それは地元のリスの仕業だとわかっていたものの、個体までは特定できなかった。
その犯行は、いろんな種類のナッツやドライフルーツが入ったケースを手当たり次第に襲うというもので、店の経営にも少なからず影響が出ていた。
賢くすばしっこいリスに目をつけられたらどうしょうもない。一度味を占めたが最後、無理やりにでも中身を奪っていくため、手の打ちようがなかった。
地元の青果店Haveabanana
[画像を見る]
【被害に悩む店に現れたリスのバートン】
しかし最近、もふもふの尾をもつ恰幅の良いリスが単身でふらりと店に現れた。
リスは自身の身の安全と引き換えに、ある取引をもちかけてきたという。
彼は人々からバートンという名で地元で親しまれているリスであり、この店で盗みを働くリスはまさに彼だったのだ。
地域の人に愛されているリスのバートン
[画像を見る]
窃盗犯であるにもかかわらず、バートンの要求は上からだった。「ある程度の報酬さえいただけば、商品の安全は保障するし、それなりに便宜をはかってやらなくもない」的な交渉に来たようだ。
もちろん彼は実質無言だったが、店主はナッツケースにチラチラ視線を送りつつ何か言いたげにたたずむバートンからそんな意図を感じたらしい。「わかるだろ、アレだよアレ」って感じで、一種の忖度ってやつかしら。
【物は試しにバートン専用のケースを設置】
そこで店は試しに少量の報酬をバートンに与えた。店先のケースの一つをバートン専用にして、簡単にナッツを取り出せるようにしたのだ。
[画像を見る]
他のケースの中身はすべてビニールの袋詰めだが、バートン専用はふたが緩くて中身も直置き。定期的にナッツが手に入れば、バートンは満足するだろう。
これで他のケースが襲われずに済めばいいが…
【効果あり!バートンを歓迎するフードスタンド】
さて結論から言うと、この取引は効果があった。
今はバートンと店の両方が現状に満足しており、店も「平和維持のためなら多少のナッツの損失など、ためらうまでもない小さな代償」と考えている。
[画像を見る]
以来このフードスタンド周辺では堂々と報酬をもらうバートンの姿が見られるが、店はちゃっかり者で憎めない彼を心から歓迎している。
[画像を見る]
太刀打ちできない腹ぺこリスから理不尽な略奪に遭うぐらいなら、損失を必要なものとみなして少量に管理した方がずっといい。つまりはそういうことみたいだよ?
References: instagramなど /written by D/ edited by parumo
記事全文はこちら:「俺専用のナッツを用意しろ」連続窃盗犯のリスとの交渉に応じた店主、その結末は?(イギリス) http://karapaia.com/archives/52285533.html
編集部おすすめ